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大森 広司
2012年10月26日 (金)

地価が大都市圏で上昇。これから住宅価格は上がる?下がる?

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Photo: flashfilm / thinkstock

国土交通省発表の基準地価によると、大都市圏を中心に地価が下げ止まりから上昇に転じつつあるという。地価が上がると住宅価格も上がると考えられそうだが、これから先の動きはどうなるのだろう。

■東京圏では辻堂駅や武蔵小杉駅周辺で地価が上昇

2012年の基準地価(都道府県地価調査)が国土交通省から発表された。毎年7月1日時点の地価を全国の不動産鑑定士が調査しているもので、1月1日時点の公示地価と並んで公的な地価調査として重視されている。

それによると全国的には依然として地価の下落傾向が続いているが、下落幅は縮小し、場所によっては上昇の動きもみられるという。地価が上昇したのは主に大都市圏だ。

例えば東京圏の住宅地で年間上昇率が1位から3位の藤沢市羽鳥や茅ヶ崎市菱沼は、最寄駅のJR辻堂駅前で2011年11月に大規模商業施設の「テラスモール湘南」が開業し、利便性が向上したことが地価を押し上げた。また4位の川崎市中原区小杉御殿町は武蔵小杉駅から750mの地点。同駅周辺では市街地再開発などで大規模な街づくりが進められており、タワーマンションの供給も引き続き活発だ。このほか震災の影響で昨年は地価が下落した浦安市でも、今年は上昇地点が出ている。

■名古屋圏では、地下鉄延伸で名古屋市緑区・天白区が地価上昇

また大阪圏でも芦屋市や京都市、奈良市など人気の高い住宅地で地価上昇の動きがみられる。名古屋圏では地下鉄桜通線の延伸効果で、名古屋市緑区の住宅地や天白区の商業地で上昇地点が出ているほか、住宅供給が活発な刈谷市やみよし市などは市全体で住宅地が上昇となった。

こうした地価が上昇し始めたエリアでは、これから住宅価格も上昇に向かうことが予測される。不動産会社が仕入れる住宅用地が上昇すれば、そこで販売される住宅の価格が上がるのは当然の動きだ。

逆に言えば、すでに今販売されている住宅は、これから販売される物件に比べて地価が安かった分、割安な価格設定になっている可能性が高い。現状では消費税アップに伴う住宅の駆け込み需要を見込んで、不動産会社によるマンションなどの用地取得が活発化しているエリアが広がりつつあるという。今後は地価が上昇に転じたり、さらに地価上昇の度合いが高まる地点が増えそうなので、再開発などで利便性が高まりつつあるエリアなどは狙い目といえそうだ。

平成24年都道府県地価調査(国土交通省)
HP:http://tochi.mlit.go.jp/chika/chousa/2012/index.html
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