住まいの雑学
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佐藤 由紀子
2011年11月9日 (水)

主婦業の合間に「住まいと暮らしの資格・検定」をとって「自分力」アップ?!

今は家事と子育てで毎日忙しいけど、子育てが一段落したら社会復帰したい。でも、何が出来るか不安に思う女性も多いはず。正社員に限らず派遣やパート、アルバイト、また在宅やフリーランスなど、いろいろな働き方があり、特技や資格、スキル、経験があれば仕事を始めるステップになるかもしれません。例えば、住まいと暮らしに関する資格なら、主婦にとって挑戦しやすいのでは?そこで、主婦業の合間に時間を見つけて取得できる、「住まいと暮らしに関する資格」をまとめてみた。

■福祉住環境コーディネーター
高齢者や障害者に対し、快適で住みやすい住環境を提案するアドバイザー。医療・福祉・建築について幅広い知識を身につけ、各専門家と連携をとりながら適切な住宅改修プランを提示したり、バリアフリー住宅への新築、建て替え、リフォームのコーディネート、福祉施策、福祉・保険サービスなどの情報を提供する。東京商工会議所が認定する公的資格。

【受験資格】
学歴・年齢・性別・国籍による制限はなく誰でも受験できる。福祉住環境コーディネーター検定1級は2級合格が条件
【試験】
年2回(試験会場は全国各地、受験票で指定される)
【試験内容】
3級・2級・1級まで3段階に分かれる。3級は福祉と住環境の関連分野の基礎的な知識の理解が目的。2級は、福祉と住環境等の知識を実務に活かすための幅広く確実な知識と、各専門職と連携して具体的な解決策を提案できる能力が目的。1級は、2級・3級で得た知識をもとに、新築や住宅改修の具体的なプランニングができ、さらに安全で快適なまちづくりへの参画など、幅広い活動ができる能力が求められる
【合格率】
2009年7月は2級が43.3%、3級が68.5%、2009年11月は2級が51.6%、3級が62.3%、2010年7月は49.7%、3級が55.9%、2010年11月は61.5%、3級が60.8%。1級は約5%と低い
【資格を利用する場合の条件】
特にない。2級以上だと、住宅改修に介護保険の適用を受けるために必要な申請の理由書を作成することができる

■マンションリフォームマネージャー
マンションの専有部分の現状調査を行い、マンションの特性と制約を踏まえて、リフォームプランの企画、提案をする。またリフォーム工事にあたりマンション管理組合や近隣・工事施工者に対して適切な指導・助言を行い、トラブルが起きないよう予防するアドバイザーで、財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが実施する民間資格。

【受験資格】
誰でも受験できる。※一級・二級建築士、建築設備士およびインテリアプランナーの登録者は、学科1の受験が免除される
【試験】
年1回(試験会場は札幌、東京、名古屋、大阪、福岡)。学科試験およびリフォームプランニング試験(設計製図)
【試験内容】
学科試験:マンションリフォームのための建築の一般知識と専門知識(マンションに関する計画、法規規約制度、マネジメント、住戸内各部のリフォーム、設備のリフォーム)
【合格率】
2008年は49.5%、2009年は50.2%、2010年は34.1%
【資格を利用する際の条件】
試験に合格後2カ月以内に申請して登録を行う(5年間有効)。登録の際、実務経験、学歴は問わない

■インテリアプランナー
住宅、オフィス、店舗、ホテル、病院、学校、工場、公共施設などすべての建物のインテリアに関し、コンセプトを策定する「プログラミング業務」「デザイン業務」、品質・コストの管理を行う「マネージメント業務」まで関わり、インテリアの企画・設計・工事監理を行うインテリアの専門家。財団法人建築技術教育普及センターが実施する民間資格。

【受験資格】
受験する年の4月1日現在、20歳以上の者
【試験】
年1回(試験会場は札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄)。学科試験と設計製図試験
【試験内容】
学科試験はインテリア計画、インテリア装備、インテリア施工、インテリア法規及び建築一般 。設計製図試験 は建築物における空間の使われ方、生活のイメージが分かるようなインテリアの設計。設計製図試験は課題に対する設計主旨、平面図兼家具配置図、透視図、家具のスケッチ等
【合格率】
2008年は27.5%、2009年は24.7%、2010年は24.3%(インテリアプランナー合格者:5年以内に「学科試験」及び「設計製図試験」のいずれにも合格した者)
【資格を利用する場合の条件】
財団法人建築技術教育普及センターが行う試験に合格し、インテリアプランナー登録(5年有効)を行う。登録には、(1)大学、高等学校、専門学校等のインテリア又は建築に関する課程を修めて卒業した者(2)建築士等の資格取得者(3)インテリアに関する実務経験のある者のいずれかに該当する者で、(1)~(3)のそれぞれに所定のインテリアに関する実務経験年数が必要

■インテリアコーディネーター
消費者が家を新築・改築する際に、お客様の要望を聞き、インテリアや建築の知識を駆使して家具やカーテン、照明などの商品選び、住宅計画の提案など的確なアドバイスを行う。社団法人インテリア産業協会が主催する民間資格。

【受験資格】
年齢・性別・学歴・職業・経験を問わず、誰でも受験できる
【試験】
年1回(試験会場は札幌・盛岡・仙台・高崎・東京・名古屋・金沢・大阪・広島・高松・福岡・宮崎・沖縄)。第一次試験、第二次試験がある※「インテリアプランナー」の有資格登録者は、インテリアコーディネーターの試験の一次試験のうち『インテリア基礎科目』が免除される。
【試験内容】
第一次試験はインテリア商品と販売、インテリア計画と技術。第二次試験は論文試験とプレゼンテーション試験
【合格率】
2008年は21.9%、2009年は21.9%、2010年は23.2%
【資格を利用する場合の条件】
資格試験に合格後、登録を申請し認定されるとインテリア産業協会認定のインテリアコーディネーターとして登録され、インテリアコーディネーター証が交付される(5年間有効)

■キッチンスペシャリスト
住空間と住生活および食生活に関する知識と経験を持ち、メーカー等と住む人の接点に立ち、キッチン空間の構成・使用・維持等に関する専門知識を総合的に提供。またキッチン空間に設置されている各種設備機器について、生活者の相談やニーズに対応できる人。社団法人日本住宅設備システム協会から業務移管を受けて社団法人インテリア産業協会が実施する民間資格。

【受験資格】
年齢・性別・学歴・経験を問わず、誰でも受験できる
【試験】
年1回(試験会場は札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄)
【試験内容】
学科コース、実技コース、総合コース(学科コースと実技コース)がある。学科試験は、住居と食生活、キッチン空間、キッチン機能、キッチン設計・施工、キッチン販売。実技コースは平面図、展開図、立体表現等の図面表現を含むキッチン廻りの企画・提案に関する筆記試験
【合格率】
2008年は35.3%、2009年は38.3%、2010年は43.1%
【資格を利用する場合の条件】
学科・実技試験の2科目に合格後、登録申請をすると、キッチンスペシャリストの資格が登録され認定証(5年間有効)が交付される

■消費生活アドバイザー
消費生活に関する適切なアドバイスを行い、かつ消費者の意見や苦情などを企業活動や行政に反映できる「企業と消費者のパイプ役」を養成することを目的に創設された資格。内閣総理大臣及び経済産業大臣の事業認定を得て財団法人日本産業協会が実施する公的資格。活躍の場は、企業や行政機関の消費者相談部門、消費者センターなど。

【受験資格】
年齢・性別・学歴に関わらず、誰でも受験できる
【試験】
年1回(第1次試験会場は札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡、第2次試験会場は札幌・東京・名古屋・大阪・福岡)、第1次試験(筆記試験)、第2次試験(論文試験および面接試験)
【試験内容】
消費者問題、消費者のための行政・法律知識、消費者のための経済知識、生活基礎知識
【合格率】
2008年は20.1%、2009年は20.2%、2010年は20.2%
【資格を利用する場合の条件】
第2次試験まで合格して合格証の交付を受けた人が、合格証を受領した年度の翌々年度末までに、実務経験を証明する「経歴書」、または日本産業協会の「実務研修修了証」を添えて申請をすると認定され、消費生活アドバイザー証(5年間有効)が交付される

■整理収納アドバイザー
住まいやオフィス内の美観を保ちながら、物の出し入れを楽に機能的にすること。またお客様が収納で困っている点を理解し「片付かない理由」を一緒に解決 し、その状態を維持できるようアドバイスできる人。特定非営利活動法人ハウスキーピング協会が認定する民間資格。

【受験資格】
2級は誰でも受講できる。1級を受講するには、整理収納アドバイザー2級認定講座を受講済みであること
【講座・試験】
随時開催。開講日程は特定非営利活動法人ハウスキーピング協会のホームページで告知している
【講座内容】
1日講座を受講する。2級は人の行動導線やモノの使用頻度、人とモノの関係などを踏まえた整理収納の考え方、限られた空間を広く利用するコツなど整理収納のコツをケーススタディーを交えながら学ぶ。1級講座は整理概論、収納概論、家庭内整理の基礎知識の講義と実習(アドバイザーシミュレーション、メンタルシミュレーション)など。1級資格は 2日間連続の予備講座と約1カ月後の試験(筆記、研究発表)により取得。試験では整理収納のプロフェッショナルとして活躍できる考え方と知識が備わっているか判断される
【合格率】
1級は6~7割程度。2009年度は71%
【資格を利用する場合の条件】
整理収納アドバイザー1級試験に合格し、認定証の発行を受けたら、整理収納アドバイザー1級に登録する

■照明コンサルタント
光源や、住環境にあった照明知識を身につけ、生活に役立つ照明計画の提案やコンサルティングを行う。社団法人照明学会が主催する通信教育「基礎講座」を受講し認定を受ける。

【受験資格】
誰でも受講できる
【講座】
申込受付は年1回、開講は8月1日。通信教育で演習問題の回答やレポートを提出、スクーリング (札幌・仙台・東京・金沢・名古屋・大阪・広島・高松・福岡)を受ける
【講座内容】
照明の基礎、光源、照明器具、照明計算の基礎、屋内照明設計の基礎、オフィス照明、工場照明、店舗照明、住宅照明、住宅の配線と配線器具、屋外照明、スポーツ照明、非常時用照明、視覚弱者のための照明、照明の保守と経済、照明と省エネルギー、最近の照明界の話題など
【資格を利用する場合の条件】
通信教育・スクーリングを受けてカリキュラムに定めた科目が合格点に達すれば、修了したことを証明する「照明コンサルタント」の称号が与えられる(5年間有効)

ほかにも、家庭料理技能検定、家庭料理スペシャリスト、食育アドバイザー、フードコーディネーター、フードアナリスト、ハウスキーピングコーディネーターなど、女性の感覚や家事の経験を活かせる資格や検定はいろいろある。家事や子育ての合間にキャリアアップや再就職を目指して、また自分のスキルを確かめるためにチャレンジしてみてはいかが?

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