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福島第一原子力発電所の状況について(日報)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)
【午後3時現在】

平成26年5月23日
東京電力株式会社

 平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、平成23年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
 平成25年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
 引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項

※5月22日午前10時50分頃、H4タンクエリアの堰内雨水をH2北タンクエリアに設置してある500tタンクに移送中、当該ライン移送ホースから水が漏えいしていることを、協力企業作業員が発見。その後、午前11時10分に移送ポンプを停止したことにより、漏えいが停止したことを確認。漏えい場所はH4タンクとH4北タンクの間のエリアで、漏えい範囲ついては、降雨の影響により特定出来ない。
その後、H4タンク周辺のパトロールを行った結果、異常のないこと、また、タンク水位に変動がないことから、H4タンクからの漏えいはないことを確認。
また、漏えい箇所地表面の線量を測定したところ、雰囲気線量と同程度であることを確認。

<線量測定結果>
・漏えい箇所地表面(5cm距離)
 70μm線量当量率(ベータ線)0.00mSv/h
 1cm線量当量率(ガンマ線)0.03mSv/h
・H4堰外雰囲気*1
 70μm線量当量率(ベータ線)0.00mSv/h
 1cm線量当量率(ガンマ線)0.04mSv/h
・H4堰内雰囲気*2
 70μm線量当量率(ベータ線)0.00mSv/h
 1cm線量当量率(ガンマ線)0.07mSv/h
*1:地面から約150cm離れた位置
*2:堰内雨水表面から約150cm、タンク側面から約150cm離れた位置

H4タンクエリア堰内雨水の分析結果は以下のとおりであり、堰内雨水の排水基準を下回っていた。
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:11 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:17 Bq/L)
・全ベータ:16 Bq/L
・ストロンチウム90:6 Bq/L(簡易測定)
漏えい量については、移送ポンプの稼働時間と漏えい状況から、最大で約4m3と推定。なお、漏えい水は外周堰内に留まっていることから、海への流出はないものと考えている。当該移送ホースが割れた原因は、ホースの破損状況から、踏み付け等の外荷重によりホースが割れたものと推定。対策として、当該ラインを含めた同様な移送ラインの外観確認を行い、同様な箇所が無いかを確認するとともに、再発防止のため、ホースの踏み付け防止の「注意喚起表示」の取り付けを行う。

※多核種除去設備(ALPS)C系については処理運転中のところ、5月20日の定例のサンプリングにおいて、系統水に若干の白濁があること、カルシウム濃度が高いことを確認。このため、多核種除去設備(ALPS)C系について、同日午前9時、処理運転を停止し、循環待機運転に切り替えた。
系統水の分析結果については、前回(5月19日)採取した水の分析結果と比較しても、通常の変動の範囲内であった。
このことから、系統下流側(サンプルタンク等)への汚染等の影響はないと判断した。
その後、C系の各クロスフローフィルタ*1出口水をサンプリングした結果、クロスフローフィルタ(7C)および(8C)の出口水に若干の白濁を確認したことから、当該フィルタから炭酸塩スラリー*2が流出してC系のブースターポンプ*31出口水が白濁およびカルシウム濃度が高くなったことが分かった。
なお、クロスフローフィルタ下流に設置してある吸着塔においてカルシウム濃度の上昇が確認されていないことから、炭酸塩の流出範囲は限定されると推定。

多核種除去設備(ALPS)B系については、クロスフローフィルタ(3B)から炭酸塩スラリーがろ過ライン側へ流出していることが確認されたため、3月18日より処理運転を停止。
その後、原因調査において、クロスフローフィルタのガスケットの一部に欠損や微小な傷が確認されたことから、その対策として改良型クロスフローフィルタに交換することとしていた。
B系については、系統の洗浄および改良型クロスフローフィルタへの交換が完了したことから、5月23日午後0時48分に処理運転を再開。処理再開後の運転状態に異常はない。

なお、現在停止しているA系とC系については、改良型クロスフローフィルタに交換し、A系は6月上旬頃に、C系は6月中旬頃に処理運転を再開する予定。
*1:クロスフローフィルタ
 後段の吸着塔でストロンチウム吸着を阻害するイオン(マグネシウムやカルシウム等)の炭酸塩を除去するフィルタ
*2:炭酸塩スラリー
 金属系の性質を含んだスラッジ(汚泥のようなもの)
*3:ブースターポンプ
 鉄共沈処理(有機物の除去、α核種の除去)や炭酸塩沈殿処理などをした水を吸着塔へ送るポンプ

※ 5月15日午前9時20分頃、5,6号機北側Fタンクエリア滞留水処理装置(淡水化装置)より水が漏れていることを当社社員が発見。午前9時21分に当該装置を停止し、午前9時33分に漏えいが停止したことを確認。なお、処理装置自体は専用のトレーラーに積載されており、漏れた水はトレーラー下部に設置している堰内の鉄板上に濡れている程度でとどまっている。漏えいした範囲は、約10m×約5m×約1mm。
その後、淡水化装置周辺の堰内の雨水に混入した可能性があることが確認され、漏えい量については雨水の放射能濃度を分析した結果より約2m3と推定。淡水化装置送水ポンプ下流側に設置されている安全弁排出ラインのホースが破損したことにより、漏えいしたことを確認。堰内に漏えいした水については午後3時35分から午後7時10分にかけて回収を完了。
その後の調査により、漏えいした原因は以下のとおり推定。
・濃縮水に含まれるカルシウムやマグネシウム成分が、除々に配管内に析出し、その析出物が下流側の逆止弁に堆積したことにより、濃縮水ラインが閉塞した。
・その影響により、当該ラインの圧力が上昇し、安全弁排出ラインのホースが内圧に耐えられずに破損した。
処置として、破損したホースの交換、閉塞した逆止弁の析出物の除去、および濃縮水ラインの他の弁及び計装品、配管の清掃を実施。
なお、再発防止対策については以下のとおり。
・安全弁下流側の排出先を濃縮水ラインから分離し、RO装置の上流側に設置されている取水槽へ繋がるラインを敷設した。
・濃縮水ラインに設置されている透明のアクリル配管部にて、析出物の付着状況の確認を日常点検にて行う。また、濃縮水ラインに設置する圧力指示を日常点検時に確認し、圧力の上昇傾向が確認された場合、ラインの点検清掃を行う。
今後、準備が出来次第、RO装置の運転を再開する予定。なお、濃縮水ラインの圧力を検出するための圧力計設置は、運転開始後、準備が整い次第実施。

《1号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

《2号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年5月17日午前9時57分~)

《3号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年5月19日午前10時6分~)

※使用済燃料プール循環冷却系については、使用済燃料プール内の燃料交換機本体撤去作業に伴い、4月23日~6月上旬の間、原則毎週月曜日午前7時~土曜日午後4時の間停止予定(停止時間は最長で129時間、毎週土曜日午後4時~月曜日午前7時の間は運転予定)。また、水温は運転上の制限値65℃に十分な余裕を持った45℃を超えることがないよう、同冷却系停止前のプール水温度を29℃以下として管理する。
 <最新の作業実績>
5月17日午前11時7分起動(起動後の温度:24.4℃)

《4号機(平成24年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

《5号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《6号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

《地下水バイパス揚水井の状況》
※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。

《焼却工作建屋の水位、焼却工作建屋のサブドレン水の分析結果》
※4月13日、集中廃棄物処理施設4カ所(プロセス主建屋、高温焼却炉建屋、サイトバンカ建屋、焼却工作建屋)のうち、3カ所間において、通常使用していない滞留水移送ラインに設置してある仮設ポンプ(4台)が運転中であり、焼却工作建屋地下1階の全域に滞留水が広がっていることが確認されたことから、常設水位計による常時監視ならびに、焼却工作建屋のサブドレン水の分析を強化中。

<最新の集中廃棄物処理施設各建屋水位>
各建屋内の滞留水の深さについては、常設水位計による監視において、プロセス主建屋への移送後の水位と比較し、焼却建屋では2.6cmの上昇。引き続き監視を継続。
5月23日午後2時現在の各建屋深さ
・焼却建屋:深さ20.2 cm(4月14日移送停止後と比較し、2.6cm増)
・工作建屋:5月16日午前10時30分、回収作業が完了。

<最新のサブドレン水サンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視、および詳細な調査を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
5月22日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、平成25年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
平成25年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。

<最新の地下水移送実績>
平成25年9月7日から1,2号機東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水を2号機タービン建屋へ移送中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、平成25年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.1-16で高い濃度の全ベータが検出されていることから、平成26年1月29日より当該観測孔近傍に設置した地下水汲み上げ用の孔(No.1-16(P))からの地下水の汲み上げを適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~4号機サブドレン観測井の状況》
※1~4号機建屋に隣接している井戸(サブドレンピット)の浄化試験をした結果、ピット内の溜まり水から放射性物質が検出されており、その流入経路としてフォールアウトの可能性があることから、新たに1~4号機建屋周辺に観測井を設置し、フォールアウトの影響について確認することとしている。

《地下貯水槽の状況》
※平成25年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。

<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1、No.2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。

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