【今週の住活トピック】
今夏の熱中症対策の一層の強化について/厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002fpv2.html
各地で梅雨明けが発表されるなか、梅雨明け後の7月20日から猛暑が続く8月15日の間が最も熱中症が起こりやすいため特に注意が必要と、厚生労働省は熱中症対策を呼びかけている。また、熱中症というと屋外の暑さのなかで発生するというイメージがあるが、意外に住宅の中にいても熱中症にかかる人が多い。特に高齢者は注意が必要だ。
厚生労働省では、7月20日~8月15日まで、ホームページで熱中症の患者数を公表しているが、7月17~25日で病院に搬送された熱中症の患者数は、既に累計で276人に及ぶ。また、同省の『熱中症対策に関する検討会』によると、なかでも自宅で熱中症になる高齢者が目立つという。2010年の東京都の熱中症患者の41%が住宅内で発生しており、そのうち72%が65歳以上の高齢者だった。
慶應義塾大学・伊香賀俊治教授がまとめた「住宅の室内環境測定と熱中症対策実態調査」によると、鉄筋コンクリート造りの集合住宅(マンション)での熱中症が多い。一戸建て(最高33.4度→最低27.4度)に比べると、集合住宅(最高31.9度→最低30.7度)では昼間の温度上昇は少なくても夜間に温度が低下せず、朝まで暑い状態が続くからだ。特に最上階の住戸では、鉄筋コンクリートに日中の熱がこもるだけでなく、天井面からの放射熱によって住宅内の温度が上昇するため、注意が必要だという。
また、住宅内の熱中症の発生場所は、「居間・リビング」の39%に続き、「寝室・就寝中」が32%と多数を占める。就寝中は、室内の温度管理がしづらいために危険性が高まると指摘している。
住宅内で熱中症にかかる人の多くは、エアコンや扇風機を使用していない、日除け(すだれやよしず)を設置していない、窓を開けて風通しを良くするなどを行っていない事例が多いということも分かった。
厚生労働省の「熱中症予防リーフレット」によると、予防には「水分補給」と「暑さを避けること」が大切で、さらに「熱中症になりにくい室内環境」をつくるために、3つのポイントを挙げている。
●扇風機やエアコンを使った温度調整
●室温が上がりにくい環境の確保(こまめな換気、遮光カーテン、すだれ、打ち水など)
●こまめな室温確認、WBGT値(※)の把握※WBGT値:気温、湿度、輻射(放射)熱から算出される暑さ指数で、熱中症予防のために運動や作業の強度に応じた基準値。「環境省熱中症予防情報サイト」で、観測値(全国で8地点)と予想値(全国各地)が閲覧可能。
「暑い」と感じたときには、既に遅い場合もあるというので、こまめに室温を確認し、節電を意識するあまり、エアコンや扇風機を使わないで済ますことのないよう、注意したいものだ。
ちなみに、筆者はサッシをエコガラスに改修し、日除けを設置し、日中暑くなったら薄着に着替えて、日中は冷風器、30度を超えたらエアコンを使用するなどして、暑さをしのいでいる。暑さ対策として、サッシの省エネ化はかなり効果が高い。今からではこの夏には間に合わないし、住宅エコポイントはいったん終了してしまったが、省エネ改修の減税制度もあるので、暑さ対策の選択肢に挙げておきたい。
政府広報オンライン・お役立ち情報「熱中症は予防が大事」
HP:http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201206/2.html