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8月16日、17日に東京と大阪で大型フェス「SUMMER SONIC 2014#サマソニ が開催されました。

フジロック、ROCK IN JAPAN Festivalに続き、Twitterの日本支社Twitter Japanはサマソニで最も多くツイートされたアーティストの情報を公開しています。

ロックやエレクトロニック、海外の大物アーティスト、アイドルまで150組の幅広いラインアップが揃ったサマソニ2日間で、最も多くTwitter上で話題になったアーティストは、サマソニ初出場の「TOKIO」でした。

samasoni_2014

1. TOKIO (Twitterアカウント無し)
2. CNBLUE (@CNBLUE_4)
3. BABYMETAL (@babymetal_japan)
4. FTISLAND (@ftGtJH, @skullhong)
5. アヴリル・ラヴィーン (@avrilLavigne)
6. クイーン+アダム・ランバート (@queenwillrock, @adamlambert)
7. メガデス (@megadeth)
8. miwa (@miwastaff)
9. The 1975 (@the1975)
10. SEKAI NO OWARI (@fromsekaowa, @nakajin_sekaino, @saori_skow)

これらのデータを見ていると、音楽メディアが話題にしているアーティストが、必ずしも参加者に話題性のあるアーティストではないことが見えて興味深いです。これまで音楽ファンはメディアがピックアップするアーティストの話題やレビューを見て、フェスの盛り上がりを楽しんできました。しかし、これからの時代はメディアのピックではなく、ツイート数など参加者の口コミデータからフェスの盛り上がりを感じる楽しみ方が新しいスタイルとして広がりそうです。

またサマソニ公式サイトでは、公式Twitterアカウント (@Summer_sonic)からの投稿や、アーティスト・アカウントによる投稿、そしてハッシュタグ #サマソニが付いて投稿されたツイートが一元的に見れるページ、さらに「#サマソニファン」のハッシュタグ付きでファンが投稿したツイートが写真付きで一目で見れるページを開設しています。

この取り組みは、フェスの感動をリアルタイムで共有できたり、フェス後に余韻に浸りプレミアム感を実感するには、非常に効果的なアプローチです。

一つだけ気になったのは、せっかくのサイトがモバイルに対応していないことが非常に残念です。せっかく投稿されたツイートが小さすぎて見えにくいインターフェースは、フェス開催中のスキマ時間や、フェスの帰り道など、モバイルがコミュニケーションに欠かせない人々の音楽体験を全く考えていないデザインミスだと思います。

summersonic_wayin

日本のフェスに感じるコトは、日本では体験を人に提供するメカニズムが機能していない、または存在しない気がしています。その代わりに重要なのは、アーティストのネームバリューになります。従ってフェスが先に発表するのはヘッドライナーや大物アーティストであって、チケット販売情報ではありません。海外のロック・フェスやEDMフェスは、運営者がフェスを体験として捉え、全ての体験を人々に楽しんでもらう戦略を毎年通年で展開しています。ですので、海外ではヘッドライナーやラインアップが発表される前にチケット販売が行われ、そして大型フェスはわずか数時間でソールドアウトになってしまいます(誰が出演するか分からずとも)。

ですので、このサマソニとTwitterの連携は、「音楽体験」をフェス期間中もフェス後も楽しむ仕掛け作りの1つになってくれる気がします。ただ「つぶやいて終わり」なソーシャルメディアの使い方ではもったいない。Twitterで投稿された感想や写真、動画をオープンにし壮大なストーリーを作り出すアプローチが音楽体験へとつながり、人々のフェスへの関与度も高まっていくのです。今後は、これらを戦略立てられる人達やテクノロジーの存在が重要なのでしょうね。サマソニだけでなく、フェスとソーシャルメディアの連携は、広がれば広がるほど、音楽ファンの音楽体験が良くなるはずです。問題は、それをどれだけ持続性(サステナブルに)を持って実現できるかが、フェスのブランドを作りファンとの距離を縮めるために重要だと思います。

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ソース
SUMMER SONIC 2014を振り返って (8/18 Twitter Blogs)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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