三菱『i-MiEVカーゴ』は非常に現実的なコンセプトモデルである。
「クルマというモビリティではない、そういう姿までいくようなコンセプトカーというのももちろんあります」とデザイン本部デザイン推進部の安井淳司さんは話す。
しかし、「そうすると多分、“イヤ/イヤじゃない”という感覚を通り越し、“ワカラナイ”という感覚に行きかねないのです。自分のこととしては捉えられない。そういう文脈でのリアリティみたいなものがこのクルマにはあると思います」という。
「最初は既存車種と共用部品がたくさんあることは枷だと思いました。しかし、結果的にはリアリティだとか現実味、今の自分との距離感だとかが明確になりました」
「また、我々三菱自動車にとって『i-MiEV』という現有資産をどうやって活かしていくかというアプローチにおいても、向こう側から始めるのではなくて、あくまでも足元から、i-MiEVに積み上げていくというアプローチが整理できました」
「結果的にこの取り組みは、i-MiEVを今後どうしていくか考える機会になり、i-MiEVカーゴをこういう形でひとつの答えが出ました」