今回取材をしたのは、猫2匹・犬1匹と暮らすTさんの家。みんな仲良しだが「いつでも遊びたがる犬に対して、猫は構ってほしくないこともあるから」と考えたTさんは、建築家の石川淳さんに設計を依頼。それぞれの快適な居場所がある家を建てようと決めた。上下運動が好きな猫のために設けたのが、家中の壁面に巡らせたキャットウォーク。ここを通れば、猫は床に降りることなく、部屋から部屋へと思いのままに移動できる。では、具体的にTさんの家の猫と暮らすためのアイデアを見ていこう。
壁面には家中をぐるりと巡れるキャットウォークを設置。階段部分は猫が歩きやすいサイズを考え、踏面を幅20cm、奥行き35cm、高さ20cmに設定。小物やアートを飾るスペースにもなる。
猫のベッドがある寝室と、ごはんがあるキッチンの出入口には、猫だけが通れるドアを設置。小さな開口部は犬が通れないので、猫は落ち着いて眠ることができ、犬にごはんを食べられることもない。
キッチンは小窓付きのセミオープン型に。リビングから見えないクローズド型と、ダイニングとのやりとりがしやすいオープン型の良さを両得できる。当初、猫用につくったものではなかったが、猫たちも愛用する小窓として大活躍。作業中、猫があいさつに来ることもあるとか!
家全体に巡らされたキャットウォークは、壁、天井、屋根裏から寝室にもつながり家中ぐるりと回遊できるようになっている。
ペットと暮らす人にとっては、ペットも人間も楽しく快適に暮らせることが大切。住まいには、そのためのアイデアがたくさんあり、家づくりはそれらを取り入れる最大のチャンス。Tさんのように、ペットの特性を考え、みんなが楽しく暮らせるアイデアを取り入れてみよう!
取材・文/前川ミチコ