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連載先輩ママに聞く、マイホーム購入
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長谷井 涼子
2014年6月10日 (火)

マイホーム購入。エリアは変える?子どもの年齢と妻の職業で違いが

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写真:iStock / thinkstock

2006年以降に住宅を購入したママ2075人にウィメンズパーク(ベネッセコーポレーション)と共同でアンケート調査を実施。「マイホーム購入、乗り気だったのは夫か妻か」という質問の意外な結果について紹介しましたが(https://suumo.jp/journal/2014/05/27/63132/)、今回は、家探しの重要な条件のひとつ「エリア」についてのぞれぞれの思惑をデータと生声をもとに分析しました。

夫も妻も「エリアを離れたくない」派と「離れてもいい派」が約半数ずつ

希望エリアについて「当時住んでいた街から離れたくなかったか、離れてもいいと考えていたか?」の質問に対し、夫も妻も約半数ずつという結果になりました。より詳しくみていくと、夫も妻も「離れたくない」というエリア限定派は4割弱、夫も妻も「離れてもいい」というエリア広範囲派は約3割。それ以外は夫婦で意見が違うという結果に。

「子どもの関係や、ママ友つながりで、夫よりも妻のほうが住み慣れた街を離れたくないだろう」という推測を裏切るデータになりました。

マイホーム購入。エリアは変える?子どもの年齢と妻の職業で違いが

【図1】当時住んでいたエリアから「離れたくない」「離れてもいい」どちらに考えは近かったですか?

マイホーム購入。エリアは変える?子どもの年齢と妻の職業で違いが

【図2】夫と妻をあわせたエリアへのこだわり

広く探したいなら、未就園の0~3歳がベストタイミング

ただし、「今住んでいるエリアから離れたくない」というエリア限定派の割合は子どもの就学・就園状態によって違う結果になりました。

例えば、最もエリア限定派が多いのは、「小学校高学年」。長男が小学校4年生のときに中古マンションを購入したKさんは、「転校など環境を大きく変えることはありえないと考えていたので、当然エリア限定。実は学区は隣ですが、すでに入学していて、通える範囲なら、転校はさせなくてすみました」といいます。

逆にエリア限定な人の割合が少ないのが、幼稚園や保育園に入るまでの0~3歳のとき。幼稚園・保育園の制約がないため、より広い範囲のエリアを検討できます。

マイホーム購入。エリアは変える?子どもの年齢と妻の職業で違いが

【図3】住んでいるエリアから「離れたくない」「離れてもいい」妻の割合(第一子年齢別)

現在2歳の娘を持つOさんは、「結婚当初住んでいたアパートにそのまま住み続けていましたが、もっと環境のいいところに住みたいと思った。子どもが幼稚園に入ると、まったく知らない街に家を買うのは現実的でないと思い、子どもの入園前にと検討」と、幼稚園情報と一緒に広いエリアでマンション探しをしています。

幼稚園入園のタイミングで新築マンションを購入したNさんは、入居後、大規模マンションならではのママ同士の情報ネットワークに驚愕。「もっと早く買っていれば、あんなに苦労した、幼稚園の口コミ情報ももっと簡単に手に入れられたのに」と後悔したそう。

また、「幼稚園」と「保育園」でも差があります。幼稚園の場合はバス通学などで隣の市町村など比較的広い範囲で通っているのに対し、保育園は送り迎えが自力な上、自治体が異なると転園を想定しなければいけない、待機児童が多いエリアなら転園すら難しいなどの諸事情で、エリアを限定する人が多いのでしょう。

娘がすでに保育園に通っていた1歳のときに隣の市の新築一戸建てを購入したHさんは、「転園希望を出したがかなわず、元いた保育園に通わせていましたが、送り迎えは大変でした」と振り返ります。

最もエリア限定派が少ないのは、子どもが中学生、高校生の場合。学区が比較的関係なく、子どもが自分で電車やバス、自転車などを利用して通学できるようになるため、エリアにこだわる必要がなくなるのかもしれません。

職業形態でエリアに対するこだわりは違う?

妻が「今いるエリアから離れたくない」とする主な要因は”子ども”のようですが、ほかに、「働いている」「働いていない」でも変わるようです。正社員や公務員など、主にフルタイムで働く妻のほうが、専業主婦よりもエリアにこだわるという結果になりました。当然、通勤アクセスの良さなどを考慮して前の住まいを決めているので、通勤の便利さを考えると、住んでいるエリアを離れがたいのかもしれません。

マイホーム購入。エリアは変える?子どもの年齢と妻の職業で違いが

【図4】職業別今住んでいるエリアを離れたくない妻と離れてもいい妻の割合の差

逆に専業主婦の場合、より広い家や、子育てにいい環境を求めて、広く検討できるケースも多いでしょう。アンケートのコメントでも「夫は今住んでいる街から離れたくなかったようですが、親戚から”この街は暮らしやすいし、環境いいよ”と聞き、何度も足を運び、まったく違う街に引越しました」という声がありました。

今住んでいるエリアを離れるか離れないかは、子どもの年齢だけでなく、妻の職業形態によっても違いがあることが分かりました。内装や間取り、インテリアなどは家を買った後に変更することもできますが、エリアは変えることができない大事な要素。子どもだけではなく、今のエリアからの通勤時間や、現在あるコミュニティなど、家族全体にとって”なにを一番優先させるか?”ということをよく考えて選ぶことが大事でしょう。

次回は「マイホーム購入における実家との問題」について紹介します。

●SUUMO×ウィメンズパーク『妻から見た住まい購入に関する意識調査』調査概要
■調査期間: 2013年5月30日(木)~2013年6月8日(土)
■調査方法: インターネット調査
■対象: 日本在住の『ウィメンズパーク』会員のうち、2006年1月以降に住宅購入の経験のある既婚女性
■集計数: 期間内に回答のあったうち、25~49歳の既婚女性2075名(25~29歳:172名、30~34歳:678 名、35~39歳:773名、40~44歳:425名、45~49歳:27名)
※%を表示する際に小数点第2位で四捨五入しているため%の合計が100%と一致しないことがあります
https://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2015/05/c00b2e730a722698ad170394ef6a6e8f.jpg
連載 先輩ママに聞く、マイホーム購入 いつ買った?住宅ローンは?実家との距離は?SUUMO×ウィメンズパークの調査から分かった、先輩ママたちのマイホーム購入事情を紹介します。
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