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浅野 真由美
2015年11月6日 (金)

京都の紅葉シーズン、実は短期賃貸マンションがお得!

京都の紅葉シーズン、ウィークリーマンションに滞在するといくらかかる?
写真:iStock / thinkstock
11月〜12月前半の京都は紅葉シーズンまっただ中。せっかく京都に行くのなら1泊2日でなく思いきり古都の魅力を堪能したい。そこで利用したいのが手ごろな価格で借りられるウィークリー物件やマンスリー物件。実際、どんなマンションにいくらぐらいで滞在できるかを調べてみた。

ウィークリー物件は熟年カップルやファミリーに大人気

京都で数多くの短期賃貸マンションを展開する「マンスリーKYOTO」の中川桂一さんに、この時期のウィークリー物件事情をお聞きした。

「これまでは転勤や出張などビジネスでの利用がほとんどでしたが、最近は観光の方が増えています。現在、わが社では約2割が旅行目的。ちょっと旅慣れた熟年のご夫婦や、ファミリーが多いですね。時間の束縛のないリタイア世代がゆっくり滞在するにはうってつけです。人数の多い家族だと一緒の部屋で泊まれるホテルや旅館は少ないので、部屋数の多い一戸建てタイプが喜ばれています」

ホテルと違ってフロントもなく、旅館のように仲居さんのサービスもない。反対に、そこが「自由度が高くてのびのびできる」と喜ばれている理由でもあるそうだ。

【画像1】1LDKのリノベーションマンション。7日以上利用の場合、1日の賃料は9000円、4人まで利用可能だ(画像提供:マンスリーKYOTO)

【画像1】1LDKのリノベーションマンション。7日以上利用の場合、1日の賃料は9000円、4人まで利用可能だ(画像提供:マンスリーKYOTO)

紅葉シーズンでも料金に変動なし!

では、実際にウィークリー物件を利用すると、いくらぐらいで滞在することができるのだろう。
マンスリーKYOTOの場合、例えば人気の清水寺エリアの1DKタイプ「マナーハウス」だと7日利用で3万8500円。1日当たりにすると5500円。2人で利用すれば2250円だ。30日利用だと12万6000円。1日当たり4200円、2人利用なら2100円になる。3LDKの一戸建て「東山朴然庵」は7日利用で8万4000円。1日1万2000円。5人家族だと1人当たり2400円だ。

市内のホテルの宿泊費はピンキリだし、食事やサービスが付いてくることもあるので単純計算はできないが、1週間程度泊まるならウィークリー物件はお得。さらに利用者にとってうれしいのは紅葉シーズンでも宿泊料金が変わらないこと。「宿泊施設ではなく賃貸マンションの形態を取っているので、シーズンによって料金を変更できないんです。ホテルはハイシーズンになると宿泊費がぐっと高くなるので、マンションはお得ですね」

予約ができるのは1、2カ月前から。受付日が来たら即、申し込みしよう

外国人観光客が急増し、京都は今、ホテル不足の状態。行きたいのに予約がいっぱいで断念……ということにならないためにも早めに予約しておきたいところだ。しかし予約の受け付けは、7日以上利用の場合は1カ月前からで、30日以上利用の場合は2カ月前から。

「他社のウィークリー物件も予約開始時期は同じように1〜2カ月前がほとんどです」と中川さん。ホテルのように何カ月も前から予約しておくことができないのが残念なところ。「今年はもう9割が予約済み」だそう。来年こそ予約受け付け可能な日がきたら即、申し込みをしよう。

【画像2】京町家を借りてゆっくり観光を楽しみたい(画像提供:マンスリーKYOTO)

【画像2】京町家を借りてゆっくり観光を楽しみたい(画像提供:マンスリーKYOTO)

町家を借りて、京都暮らしを体験するのも楽しい

町家やデザイナーズマンションなど、さまざまなタイプの部屋から選べるのも大きな魅力。「人気があるのは京町家の一棟貸し。格子戸に土間の台所など風情たっぷりで、町家暮らしをそっくり体験できます。設備などは使いやすくリノベーションしていますので、安心です」。人気のエリアは東山とJR京都駅付近だそう。

「東山は南禅寺や平安神宮、清水寺など観光名所がいっぱい。特にこのシーズンは街中が燃えるような紅葉に包まれるので、街を散策するだけでもいい雰囲気です。また、JR京都駅は新幹線の停車駅でアクセスが抜群に良いので、京都を拠点として奈良や大阪にも観光に行く人も多いです。そのためこれらのエリアは特に早めの予約をおすすめします」(中川さん)

覚えておきたいのは、ウィークリー物件は宿泊施設ではなくマンションだということ。入居中のゴミ出しや近所の方への騒音の配慮などは不可欠で、ルールをきちんと守りたい。また、光熱費や清掃代が別途かかることがあるのも忘れずに確認しよう。

最近は個人住宅や賃貸物件を宿泊施設にリノベーションしたゲストハウスも増えている。これらは宿泊施設なので1泊から利用可能。世界中をネットワークする宿泊予約サイト「airbnb」の利用者も増えているという。旅館業法の兼ね合いからクリアすべき問題もあるが、手軽に安く滞在したい人たちにとって選択肢が増えていることはうれしい。
長期滞在型旅行の手始めに、まずは手軽なウィークリー物件やマンスリー物件を利用してみてはどうだろう。憧れの京都に“暮らす”気分で旅することができそうだ。

●取材協力
・株式会社フラットエージェンシー マンスリーKYOTO
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