住まいの雑学
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2014年5月8日 (木)

街路樹って誰が選ぶの? 選ばれる木の基準を探ってみた

美しい街並みをつくりだす街路樹。植える木の選び方をおしえてもらいました(写真: iStock / thinkstock)
写真: iStock / thinkstock

住み替えを考えたとき、住み心地のいい街を探したい気持ちは誰もが同じのはず。いざ候補となったエリアや街の環境、雰囲気は気になるところだ。そこで今回は、街並みをつくりだすファクターのひとつ、街路樹に着目。日本では6世紀の後半には街路樹が植えられるようになったが、現在よく目にするイチョウなどが植えられるようになったのは明治40年ごろからだそうだ。

そんな街路樹だが、誰がどのようにして植える木を選んでいるのだろう? そこで、渋谷区の街路樹の選定を行っている、渋谷区役所土木清掃部道路課の米山さんに、選定基準についてお話を聞いてみた。

「基本的には地元の人と相談をしながら選んでいます。仮に、新しくつくる道路であれば、300~400メートルといった具合で区間を決めて、その界隈に住んでいらっしゃる方の好みで決まります」

つまり街路樹の選定について、自治体のガイドラインが存在しないということ。その代わり、住民の意見を基準に木を選んでいるようだ。住民たちの意見がバラバラになってしまうことはないのだろうか?

「街路樹を植える場所に一番近い家の方の意見を採用するので、結果的に植える木がバラバラになるということはありません」

なるほど、もともとその場所に住んでいる方の意見が尊重されるようだ。また、米山さんに選定する際に住民の方々へアドバイスしていることを教えてもらった。

「実はサクラの木は管理が難しく、景観は美しいですが、毛虫がよく付く木なんです。逆に管理が簡単で定番となる木ですと、ケヤキやハナミズキが一般的ですね。花が咲いて、木陰ができる木が重宝されます。それと、高く育つ木だと剪定(せんてい)が大変になりますから、これもおすすめはしていません」

見た目だけでなく、管理やその効果に基づいて選ばれているということが分かった。街路樹は景観の向上はもちろん、道路の騒音対策や大気の浄化という役割も担っている。住む土地を選ぶとき、街路樹がつくりだす街並みにも目を向けてみるのはいかがだろうか。

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