「ダンス」風俗営業対象外へ 規制改革会議が提言
政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は12日、客にダンスと飲食をさせる営業とダンス教室について、風営法が定める風俗営業から外すべきだとの提言をまとめた。提言は「優良企業が参入を見合わせるなど、健全なダンス文化や関連産業の発展の支障になっている」と指摘。風営法所管の警察庁に同法改正案の策定を促す。
クラブやディスコなどのダンス営業は戦後、客と踊り子との売買春の温床になるとして規制されてきたが、岡議長は同日の記者会見で「かつてと同じ規制下にあるのは時代遅れだ」と強調した。
提言は、現在風営法で風俗営業に指定され、都道府県公安委員会の営業許可が必要な1~8号の8種類の業態から、クラブなど客にダンスと飲食をさせる営業(3号)とダンス教室(4号)の2種類を外すよう求めた。
3号営業を巡っては、無許可営業で起訴された経営者に対し、大阪地裁が無罪判決を言い渡したばかり。提言は「(現行法では)何が合法的な営業か見通しが立たない」とし、「クラブ周辺の暴力沙汰や騒音などへの有効な解決法にもなっていない」と指摘した。現在は原則午前0時までの営業時間の延長も求めた。午前2~3時を念頭に置いているという。
ただ、3号営業を完全に風営法の管理下から外すのではなく、深夜に酒を提供するバーなどの「深夜酒類提供飲食店」という届け出制の同法の枠組みがあり、これに準ずる案が浮上している。
騒音やごみなどの問題には「新たな規制が必要」と指摘。風俗営業者に課されている反社会的勢力の参入を規制する条項をどう適用するかは今後の課題となっている。
風営法を巡っては、超党派の国会議員による「ダンス文化推進議員連盟」が今国会の改正を目指しており、岡議長は「プラスの影響を与えられればいい」と話した。