細菌は便座の20万倍!? 食器用スポンジの交換頻度は?

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どこの家庭の台所にもある食器用スポンジ。はたしてみんなはどれくらいの頻度で、これを交換しているのだろうか?

スポンジに潜むセレウス菌は食中毒を引き起こすことも……。しかも熱湯消毒だけでは不十分だそう。

スポンジに潜むセレウス菌は食中毒を引き起こすことも……。しかも熱湯消毒だけでは不十分だそう。

食器用スポンジに、どれくらいの細菌が付着しているかを考えたことはあるだろうか。実は食べ物のカスと水分によって、非常に細菌が繁殖しやすい環境にあるのだ。たとえば、大手生活用品メーカーは食器洗剤のCMで、「スポンジと三角コーナーでは、スポンジの方が多く菌が潜んでいる」とうたっている。

また、米アリゾナ大学の微生物学部Charles Gerba教授が行った調査では、キッチン用スポンジ約2,5平方センチあたりに1,000万個のバクテリアがいると発表したそうだ。その汚れは、トイレの便座の実に20万倍。「家庭内で1番汚いものはスポンジ」と断言する学者まで出てきた。そんなもので食器を洗っていたなんて……。

はたして、みんなはどれくらいの頻度で食器用スポンジを交換しているのだろうか。筆者の周囲の人に聞いてみた。

「スポンジはめったに交換しないね。あまり自炊しないというのもあるけど、そう簡単にボロボロにはならないじゃん? ところどころ欠けてきて、気がついたら購入するって感じかな」(24歳・男性・アパレル)

「3カ月に1回くらいです。1週間のうち、3回は自炊をしているからそれなりに劣化も早いんですが、なんか『まだ大丈夫かな~』と思うんですよね。どれくらいが交換の目安かもよくわからないし」(21歳・男性・大学生)

「実家暮らしなので、私が購入するわけではないのですが、母は買いだめしておいて、1カ月に1回は交換しているようです。商品にこだわりはないようで、安売りしているものを一気に買ってきていますね」(26歳・女性・OL)

このほかにも数人にアンケートを実施したが、「半年に1回」や「年に1回」など頻繁に交換している人はみられなかった。協力してくれたみなさんに、先ほど述べたアリゾナ大学の調査を伝えると「マジで?」「嘘でしょ? ちょっとスポンジ買いに行ってくるわ」と驚いた様子だった。

では、実際に食器用スポンジはどのくらいの頻度が交換すればいいのだろうか。花王の公式サイトには、「スポンジのあるべき姿」として、「汚れがないこと」「劣化がないこと」と書かれている。また、食器を洗う前にチェックしておくべき点として、以下が挙げられている。

●スポンジ類に細菌が繁殖しないようにする為にはしっかり乾燥させることが重要です。徹底した乾燥をする為に、スポンジを2セット用意し、1日交代で使用しましょう。
●スポンジやブラシが劣化すると異物混入に繋がる可能性があります。定期的にチェックし、交換してください。
(以上、ホームページより抜粋。原文ママ)

公式サイトでは具体的な交換頻度までは書かれていなかったが、いずれにしろ定期的なチェックと交換が必要なようだ。

しかし、数百円程度のものとはいえ頻繁に買い替えていれば、それなりの負担にもなる。いますぐ交換できないときは、キッチンハイターをうすめた液につけ置きして、除菌しよう。時間は2分程度で◎。つけ置き後はよくすすいで水気を切り、日当りの良いところで十分に乾かそう。

また、各メーカーからはスポンジやまな板、布巾の除菌用洗剤も発売されている。こういったアイテムを駆使して、自宅のキッチンをできるだけ清潔に保ちたいところだ。

(播磨谷拓巳/ノオト)

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