修学旅行のシーズン到来！関東の学校はなぜ近畿地方に旅行するの？

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秋といえば修学旅行の季節。ここ東京でも、原宿などの若者の街で修学旅行生をよく見かけるようになった。

ところでこの修学旅行、関東の中学校では、京都や奈良などの関西方面に行くイメージが強いが、実際のところはどうなのだろうか？また関西や九州の中学生がどの地域に旅行に行くのかも気になるところだ。

そこで今回は、財団法人日本修学旅行協会に、全国各地の中学校がどの地域を修学旅行先として選んでいるのか、またその選択理由などを聞いてみた。

ちなみに財団法人日本修学旅行協会は教育旅行（修学旅行、遠足等）の向上発展を目指し、教育旅行の実態調査、データブック「教育旅行年報」などの発行を主業務とする公益法人。今回は協会事務局長である野口さんに話を伺った。

「私どもが調べたデータによると、2009年度における全国の中学校の修学旅行先は、総件数6913校中、2948校が近畿地方を選択しており圧倒的に多いです。続いて関東へ1772校、九州へ543校となっております。近畿地方を選択している中学校は関東地方の学校が1594校、中部が617校、東北が95校となっております。また旅行先を県別で見ますと、京都が1758校、東京が1337校、次いで奈良、沖縄となっています」

全国の中学校の半数近くが、近畿地方を修学旅行先として選んでいるのは少し驚きだ。数の多い関東の中学校がその数字を押し上げているとはいえ、九州や中部地方の中学校も、近畿を旅行先に選んでいるからだろう。

次に、いただいたデータから、どの地域の中学校がどういった場所へ旅行しているか、そのベスト3をまとめてみた。
※財団法人日本修学旅行協会調べ　2009年度データ

■北海道の中学校　総件数365校
旅行先：北海道120校、東北193校、近畿20校

■東北の中学校　総件数883校
旅行先：関東692校　近畿96校　沖縄44校

■関東の中学校　総件数1814校
旅行先：近畿1594校　東北39校　中部57校

■近畿の中学校　総件数992校
旅行先：関東385校　沖縄289校　九州120校

■九州の中学校　総件数704校
旅行先：近畿366校　九州184校　沖縄114校

■沖縄の中学校　総件数73校
旅行先：九州73校

意外だったのは、東北地方では近畿方面を選択する中学校が少ないこと。また沖縄ではすべての中学校が九州に行っていること。こうした傾向には、なにか理由があるのだろうか？

「中学校に限らず、小中高すべての学校の修学旅行は、各市区町村の教育委員会が定めた実施基準というものに則って実施されています。実施基準では、旅行期間や旅費、実施学年などが決められており、その範囲内で旅行先も選択されることになるのです。ですから東北の中学校では、近畿より費用も時間も掛からない関東を選ぶ傾向が強くなるのだと思います」

修学旅行といってもやはり教育の一貫。手綱は教育委員会が握り、その定められた範囲内で旅行が計画されているわけだ。でももう少し実施基準に寛容さがあれば、沖縄の中学校も九州以外の場所へ旅行できる気もしなくはないが…。

今回ご協力いただいた財団法人日本修学旅行協会のホームページでは修学旅行に関する様々な調査・研究の結果をPDFで開示しているので、興味のある方はそちらも参照してみてはいかがだろうか。