ビジネス

7月のサントリー食品IPO 公開価格で手に入れるチャンスも

 株式市場の乱高下が続いているが、ここ数年減少傾向にあったIPO(新規上場)件数は、回復傾向が顕著。売買回転率も2004~2006年のIPOバブル並みの水準となっている。市場が沸騰するなか、IPO株へどう投資するのが得策なのか。投資情報サイト「東京IPO」編集長の西堀敬氏が解説する。

 * * *
 今年のIPO件数は、5月半ばまでに15件を数えた。特筆すべきは、その15銘柄について、上場後についた初値が公開価格より上回れば勝ち、下回れば負け、同値なら分けという基準で計算した「勝率」が、何と100%になっていることだ。つまり、15銘柄すべての上場初値が公開価格を上回り、公開価格でゲットできた人はみんな儲かったわけなのだ。

 ちなみに、かつてのIPOバブル期の勝率をみると、2004年が94%、2005年が95%、2006年が85%であった。まだ15件と比較するには件数が少ないとはいえ、勝率だけでみればIPOバブル期を凌駕しているのは確かだ。

 また、初値が公開価格に対して何%上昇したかという「初値騰落率」でも、15件の平均初値騰落率は132%と、一番高かった2005年の134%に匹敵する水準となっている。特にジャスダックと東証マザーズに上場した銘柄のそれは、平均200%近い上昇ぶりであった。

 ここからいえることは何か。今年のIPO投資で儲けたいなら、「公開価格で買って、上場初値で売り抜ける」ことが、まずは鉄則になるということだ。実際、今年のこれまでのIPO15銘柄すべての単元株を公開価格で取得し、初値で売ったとしたら、投資資金が2.3倍に膨らんでいた計算となるのだ。

 どの銘柄がいいか悪いかなど考える必要は一切ない。もらえるものは全部もらうという姿勢で、IPOする銘柄のブックビルディングにかたっぱしから参加し、公開価格での取得にチャレンジする。その結果、無事にゲットできれば、高いパフォーマンスが得られる環境となっているのは間違いない。

 とはいえ、現実問題として、この戦略を実践することはなかなか難しい。IPO株を公開価格で取得するためには、クリアーしなければならない高いハードルがある。ブックビルディングに参加しても、参加者全体の購入希望株数が売り出し株数を上回った場合、公募株を購入できる権利は基本的に抽選となり、それに当たらないと購入できないのだ。

 現在のようなIPO株に注目が集まる環境下では、抽選に当たって公募株が手に入る確率は、何百分の1程度しかないと思われる。

 それでも、ブックビルディングに参加しなければ、「公開価格買いで初値売り」戦略の恩恵にあずかることはできない。公募株入手の確率を上げるには、当然ながら、公開株数が多く、公募株が一般の個人投資家にも広く行き渡る可能性が高いIPO銘柄のブックビルディングに参加する手法がお勧めだ。

 その観点から、特に注目されるのが、7月にIPOが予定される「サントリー食品インターナショナル」だ。上場で6000億円規模の資金調達が予想される今年一番の大型IPOとなりそうなので、大手証券やネット証券など、なるべく多くの証券会社経由でブックビルディングに参加すれば、公開価格で手に入れるチャンスは大きいとみる。

 同社は、IPOで調達した資金で、東南アジアなど新興国の飲料メーカーに対してM&Aを行なっていく予定で、昨年再上場した日本航空よりも、成長性は高いと思われる。これほどの大型上場なので、初値騰落率はそれほど高くならないと予想されるが、その一方で下値リスクは限定的。もし抽選に外れてもまだチャンスはある。IPO後に買っても、半年から1年で3割程度のキャピタルゲインは得られるとみている。

※マネーポスト2013年夏号

トピックス

裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン