ディズニー映画『アナと雪の女王』の大ヒットで主題歌『Let It Go~ありのままで~』をカラオケで高らかに歌い上げる女性が今なお急増中。誰もが自分を抑え、「ありのまま」でいるのが難しい昨今、上手に「本当の自分」を表現する方法とは?
今の自分にストレスや窮屈さを感じたり、演じることに違和感があるなら、心の奥にある自分の欲求に耳を傾けてと話すのは日本大学芸術学部教授で、自己表現の著書を多数もつ佐藤綾子さん。
「人には、達成、追従、秩序、顕示、自立、親和、他者認知、救護、支配、内罰、養護、変化、持久、異性愛、攻撃という15の欲求があります。顕示欲求が強ければ目立ちたがり、親和欲求が強ければ常に誰かと一緒にいたいと思い、内罰欲求が強ければ何かと自分を責める傾向に。
リーダー的立場になることが多いため、自己顕示欲が強いと思われていても、実は人に頼まれるとNOと言えないだけの、親和欲求と他者認知(承認)欲求が強い人なのかもしれません。人前に出るより、仲間といることが楽しいなら、本来の欲求は後者でしょう。
本来の自分ではない状態を続けるのは、短期間ならOKでも、長くは苦痛になるもの。欲求に正直なほうが長続きし、過度のストレスや疲労感を感じることはありません」(佐藤さん・以下「」内同)
心の欲求を知るには、どんな場面で、何をしている時に快適さを感じるかを知ること、と佐藤さんは言う。
「人の評価も参考になります。自分では意識してなくても、“親切”“やさしい”と言われることが多ければ、それが他人に見えている本当の姿。
自分の長所を書き出すのも有効ですが、それ以上なのが短所。書き出したら、ノロマなら慎重、せっかちなら仕事が早い、短気なら決断が早いなど、よいイメージの言葉に言い換えてみる。それこそがあなたの隠れた姿。長所とわかれば自信が持て、自分らしさを表現できるようになります。私の講座で体験し、効果を上げている人も多いですよ」
とはいえ自分らしく振る舞った結果、トラブルになることもある。
「自分を出すことに抵抗があるなら、まずは一緒にいて心地よい人と接してみて。また、自分が“超アナ”すぎると感じたら、少しだけ隠しましょう。すると、人に受け入れられる『ありのままの自分』を上手に出せるようになります」
※女性セブン2014年7月17日号