住まいの雑学
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コマツナ
2012年4月21日 (土)

【動物の家シリーズ(13)】鳥がまさかの庭いじり!? 鳥による驚愕のデザイン庭園BEST3

薫風に誘われて、つい土いじりに精が出る春。
庭やベランダでガーデニングを楽しむ方も多いことでしょう。
でも実は、お庭いじりが大好きなのは人間だけじゃありません。
小さな鳥が、カノジョをご招待したい一心でつくるオドロキの庭園をご覧あれ!

コアラやカンガルーなど、ちょっとお気楽な動物たちが生命を謳歌するオーストラリア。本題の鳥「ニワシドリ」も、この地域に暮らしています。

ニワシドリのメスが自力で巣をつくり、子育てを行う一方、毎日庭いじりに精を出しているのはそのオスたち。

そもそも彼らは、カノジョに気に入られようと、踊ってみせたり、頭のとさかを広げてみたりと涙ぐましい努力家ですが、なかでも「あずまや」と呼ばれる建築とセットになった庭は、汗と涙の真骨頂!

今回は、ニワシドリの庭を“見た目のスゴさ重視”でランキング!!
実際に、オーストラリアやニューギニアでこれらを目にしたという、画家&鳥の巣博士の鈴木まもるさんに解説していただきましょう。

●BEST3 “青”至上主義!? スポットライト完備の庭

【動物の家シリーズ(13)】鳥がまさかの庭いじり!? 鳥による驚愕のデザイン庭園BEST3

Photo by oddsock

ニワシドリの仲間・アオアズマヤドリ(♂)は、青いものが大・大・大好きです。
【動物の家シリーズ(13)】鳥がまさかの庭いじり!? 鳥による驚愕のデザイン庭園BEST3
「まず、彼らの“あずまや”の構造は、枝を用いて2列の平行な壁を立てたもの。その周囲に、どこからともなくインコの羽やヒモ、紙など、青いものを拾って来ては、せっせと配置するのです。民家に近いと人間のものを使っているケースも多いようですね」

確かに、鈴木さんの写真には、左手前に髪止めが、中央に英語圏のラベルと思しきものが日光にきらめいています。

「実は、日光の当たり方も彼らの計算のうち。どのニワシドリも、日当たりを考慮してあずまやをつくっているようなのです。彼らにとっては、天然のスポットライトなんですね」

●BEST2 白い殻は卵がわり!? 赤紫のワンポイントが光る庭

【動物の家シリーズ(13)】鳥がまさかの庭いじり!? 鳥による驚愕のデザイン庭園BEST3

Photo by Tatters

上のアズマヤドリとよく似た姿のオオニワシドリ(♂)も負けてはいません。
【動物の家シリーズ(13)】鳥がまさかの庭いじり!? 鳥による驚愕のデザイン庭園BEST3
「オオニワシドリは、カタツムリの白い殻をたくさん集めます。この殻、彼らの卵によく似ているんですよ。自分のお嫁さんには、卵をいっぱい産んで欲しいという願望なのでしょうか」

実はココ、民家の庭先なのですが、オオニワシドリはおかまいなし。大量のカタツムリで、ラブと欲望を表現しているようです。

「また、この鳥は、頭頂部が赤紫色をしています。そのせいなのか、随所に赤紫のワンポイントを飾るんですよ。“ついでに、ボクっぽいものも飾ってみました!”という、けなげなアピールかもしれません」

●BEST1 屋根付きの本格仕様! アイテムが超凝ってる庭

最後は、チャイロニワシドリ(♂)。写真はありませんが、黄色っぽく体長25cm程度の小さな鳥です。彼らの直径約2mにも及ぶ大作をご覧ください!
【動物の家シリーズ(13)】鳥がまさかの庭いじり!? 鳥による驚愕のデザイン庭園BEST3
「密林の木々を利用して屋根をつくり、その下を枯れ葉ひとつない状態、または絨毯のようにコケを敷き詰めた状態にしています。その上に、花やコーヒー豆、木の実、昆虫の殻、葉っぱ、キレイな色のゴミなどを積み上げて飾るのです」

はからずも、ちょっとステキなオープンカフェの様相です。

「まさか鳥が色をそろえて、集めて、並べているなんて思いませんよね。初めてジャングルでこれを見つけた探検家たちも、にわかには信じられなかったようです。屋根の下は、それはキレイに整えられていて、置いてある葉っぱも毎日取り換えるほどなんですよ」

ほかにも、葉っぱを裏返しにして並べるのがお気に入りの「ハバシニワシドリ」、小枝の先に虫や花をクリスマスツリーのように飾る「カンムリニワシドリ」など、芸術家顔負けの“庭師”たちがいっぱいいるのだそうな。

(画像提供/鈴木まもるさん)

<暮らしのヒント>
それにしても、彼らはナゼ、こんなにも複雑な“あずまや”をつくれるのでしょう?
「オーストラリアは、獰猛な肉食獣がおらず、かつ食物の豊富な楽園です。メスは単独で子育てをし、オスは手伝う必要がありません。一年中あずまやをつくっていられるため、どんどんうまくなって、つくり込みが増していくのでしょう」と鈴木さん。
「また、“あずまや”の飾りには、その種のメスが巣づくりで使う材料が目立ちます。自分が手伝う必要はないとはいえ、本当は一緒に巣づくりをしたい本能、メスのために何かしてあげたいという欲求があるように思います。この複雑なあずまやは、オスたちの巣づくり行動の変形なのではないでしょうか」
自分の本能&欲求に従って、美しいあずまや&庭をつくり続けるニワシドリ。最後に、彼らによる庭のお手入れ術をおさらいしてみましょう!

<まとめ>
★ニワシドリ流! 庭のお手入れ5箇条★

  • 1)飾る場所を徹底的にお掃除するべし
  • 2)心のおもむくままに、置きたいものを飾るべし
  • 3)見せたいものは、明るい場所へ
  • 4)各アイテムを並べるときは、整理整頓
  • 5)枯れた植物を放置するべからず

<豆知識>
和名:アオアズマヤドリ
英名:Satin Bowerbird
地域:オーストラリア

和名:オオニワシドリ
英名:Great Bowerbird
地域:オーストラリア

和名:チャイロニワシドリ
英名:Vogelkop Bowerbird
地域:ニューギニア

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