辺野古訴訟の意義確認 那覇でシンポ、日本の地方自治問う


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 代執行訴訟など米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設をめぐる県と国の一連の訴訟の意味を考えるシンポジウム「辺野古裁判で問われていること」(主催・辺野古訴訟支援研究会)が28日、那覇市前島の沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハで開かれた。500人以上(主催者発表)が参加した。登壇者らは、新基地建設をめぐる訴訟を通じて日本の地方自治の存在意義を問う重要性を訴えた。

 白藤博行専修大教授が「辺野古訴訟にみる憲法の原理と国家の論理」と題して、基調講演した。白藤教授は地方自治が憲法の柱の一つに位置付けられていると述べ、新基地建設が県民の意見を聞かずに決定されたと指摘した。訴訟が乱立しているとの声があるとしながらも、一連の訴訟には地方自治を保障する意義があると強調した。また新基地建設問題は「沖縄だけではなく、日本全体に地方自治を問うていると考えなければならない」と述べた。
 翁長雄志知事もあいさつで登壇し、県内に過重な米軍基地が集中する過程を説明しながら、日本全体で安全保障を考えていく必要性を強調した。「基地は沖縄経済の最大の阻害要因だ」として沖縄の経済が基地に依存しているとの風説をあらためて否定し、新基地建設を止める決意を示した。
 県弁護団長の竹下勇夫弁護士は、新基地建設をめぐる三つの訴訟が提起された経緯や現状について報告した。国が地方自治法で定められた手順を踏まずに、地方自治体への是正手段として最も強力な代執行に踏み切ったことを批判した。
 会場からの質疑には、本多滝夫龍谷大教授を司会として白藤教授と竹下弁護士が答えた。