東日本大震災以降、節電への意識が高まっているが、それに伴い太陽光発電や家庭用燃料電池といった創エネへの関心が高まっている。また、電気を蓄える蓄電池にも注目が集まっているところだ。
そんな中、3つの電力供給システムを備えた積水ハウスの「グリーンファースト ハイブリッド」が発売された。2009年に発売された太陽光発電や家庭用燃料電池を組み合わせた環境配慮型住宅「グリーンファースト」をベースにした住宅商品だ。
今回の新商品ではさらに蓄電池を組み合わせることで、光熱費を抑えるとともに、停電などの非常時でも電力を確保できる住宅としたもの。蓄電池の容量は8.96kWhで、停電時でも蓄電池だけで一日中冷蔵庫が使えるレベル。他の用途を合わせた場合でも、例えば冷蔵庫と液晶テレビ、照明(100W)を継続して使用しても約17時間使用できる。
この住宅では日中はできるかぎり燃料電池の発電で賄い、太陽光発電の売電量を増やす。電力消費の多い夕方から夜は蓄電池からの電力供給で購入電力を減らす。電力が安価な深夜に蓄電し、光熱費を削減する。こうして経済的であるとともに、わが家が電力を生み出し、CO2の削減にも貢献するというメリットがある。
[こうした創エネに蓄電を加えた住宅は、他の住宅メーカーでも開発や実験が行われており、今後増えてくる見通しだ。
また、因幡電機産業では蓄電池単体での発売を開始した。家庭用コンセントから2時間半で急速充電、冷蔵庫なら約5時間稼働でき、ノートパソコンなら約20時間使える。出力用のコンセントは4口装備しているので、電気製品を同時に4つまで使用できる。キャスター付きで移動や持ち運びもできて、好きな場所で使える。
蓄電池の通常時の利用方法として、同社では、深夜に充電し、ピーク時に使用する、あるいは日中、太陽光発電の電力を一部蓄電し、夕方以降に使うといった使い方を想定している。創エネ設備との併用で、蓄電池はより効果を発揮するというわけだ。
これから家を建てる人は、創エネ+蓄電を検討事項に加えてみてはいかがだろうか。
構成・文/林直樹