住まいの雑学
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HOUSING by suumo
2011年10月21日 (金)

太陽光発電や燃料電池、畜電池を組み合わせ節電や環境に貢献する住宅が実用化

東日本大震災以降、節電への意識が高まっているが、それに伴い太陽光発電や家庭用燃料電池といった創エネへの関心が高まっている。また、電気を蓄える蓄電池にも注目が集まっているところだ。

そんな中、3つの電力供給システムを備えた積水ハウスの「グリーンファースト ハイブリッド」が発売された。2009年に発売された太陽光発電や家庭用燃料電池を組み合わせた環境配慮型住宅「グリーンファースト」をベースにした住宅商品だ。

太陽光発電や燃料電池、畜電池を組み合わせて節電や環境に貢献する住宅が実用化

「グリーンファースト ハイブリッド」の外観一例 / 積水ハウス

今回の新商品ではさらに蓄電池を組み合わせることで、光熱費を抑えるとともに、停電などの非常時でも電力を確保できる住宅としたもの。蓄電池の容量は8.96kWhで、停電時でも蓄電池だけで一日中冷蔵庫が使えるレベル。他の用途を合わせた場合でも、例えば冷蔵庫と液晶テレビ、照明(100W)を継続して使用しても約17時間使用できる。

太陽光発電や燃料電池、畜電池を組み合わせて節電や環境に貢献する住宅が実用化

3つの電池搭載の住宅概念図。使用順位は①燃料電池②太陽電池③蓄電池④電力会社から購入。停電時には自動的に3電池による電力に切り替わる。電気・ガス・水道が止まった場合は日中の太陽電池の発電で充電し、夜間は蓄電池から電力を供給する / 積水ハウス

この住宅では日中はできるかぎり燃料電池の発電で賄い、太陽光発電の売電量を増やす。電力消費の多い夕方から夜は蓄電池からの電力供給で購入電力を減らす。電力が安価な深夜に蓄電し、光熱費を削減する。こうして経済的であるとともに、わが家が電力を生み出し、CO2の削減にも貢献するというメリットがある。

[こうした創エネに蓄電を加えた住宅は、他の住宅メーカーでも開発や実験が行われており、今後増えてくる見通しだ。

また、因幡電機産業では蓄電池単体での発売を開始した。家庭用コンセントから2時間半で急速充電、冷蔵庫なら約5時間稼働でき、ノートパソコンなら約20時間使える。出力用のコンセントは4口装備しているので、電気製品を同時に4つまで使用できる。キャスター付きで移動や持ち運びもできて、好きな場所で使える。

太陽光発電や燃料電池、畜電池を組み合わせて節電や環境に貢献する住宅が実用化

業務用・家庭用リチウムイオン蓄電池。家庭用コンセントから充電でき(容量2.3kWh)、出力は1.5kW。サイズは幅330㎜×奥行640㎜×高さ56㎜。重さ約82㎏。オープン価格 / 因幡電機産業

蓄電池の通常時の利用方法として、同社では、深夜に充電し、ピーク時に使用する、あるいは日中、太陽光発電の電力を一部蓄電し、夕方以降に使うといった使い方を想定している。創エネ設備との併用で、蓄電池はより効果を発揮するというわけだ。

これから家を建てる人は、創エネ+蓄電を検討事項に加えてみてはいかがだろうか。

構成・文/林直樹

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