住まいの雑学
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佐藤潮 @エフェクト
2011年8月24日 (水)

エコで便利な自転車シェアリングが浸透中!

駅からも近いし、間取りも完璧。そんな理想的な住まいにやっと巡りあっても、意外と悩まされるのが自転車の置場。マンションに駐輪場がなくて自転車が購入できない! なんて人も最近はけっこう増えてるようです。

もしそんな状況になった際、住んでる地域がバイクシェアリングを実施していればかなり快適。ドイツやフランスでは一般化しているこのバイクシェアリングは、1台の自転車を個人で所有するのではなく、大勢で共有しましょうという考え方です。

街のいたるところに「サイクルステーション」や「サイクルポート」といったスペースを設け、どの施設でも自転車のレンタル&返却ができるのが特徴。例えば、レンタルした自転車でデパートへ出かけ、荷物が増えた帰り道には電車を利用したり、ステーションが絶好の位置にあれば通勤時にだって使えたり。行く先々で自転車の“乗り捨て”ができるとあって、いろいろと便利な使い方が可能。車の利用者が減ることで渋滞緩和やCO2削減にもつながります。

日本でもコミュニティサイクルとの呼び名で徐々に浸透しており、この夏にも山口県下関市が社会実験をスタート。そこで、詳しいお話を下関市都市計画課の志満さんに聞いてみました。

「元々、中心市街地の歩行者や車の流れをスムーズにする方法を模索していたのですが、下関市が“サイクルタウン下関構想”を策定し、自転車にやさしいまちづくりを目指していたことからコミュニティサイクルに着目。今回の社会実験“ちょいのり・サイクル”を開始いたしました。電車やバスなどとも組み合わせてご利用いただき、公共交通を補完する移動手段としてこのシステムが効果を発揮すればうれしいです。本格導入にいたるまでに、より多くの方からご意見をいただきたく、現在は無料で自転車を貸し出しております」

有料化した際の要望などについて、利用者へアンケート調査を行っているという志満さん。「サイクルポートの位置と、利用料金の設定などが課題になりそうです。実験が終了する8月中旬から利用者の意見を検証し、来年度中は民間活用を含めた運用体制の構築を進め、25年度からの本格導入を目指したいと思っています」との今後の展開も教えてくれました。

ほかにも大阪府堺市、福岡県北九州市、富山県富山市、熊本県水俣市などで、すでに導入されているこの交通エコシステム。企業が主体となっている地域もあり、株式会社NTTドコモが神奈川県横浜市、株式会社JTB首都圏が広島県広島市で社会実験を行っています。

さらに東京でも世田谷区や江戸川区、台東区などで導入済み。まだヨーロッパの都市のような広範囲に渡るネットワークは出来ていませんが、これから一般化が進めば都心部で暮らすの際の駐輪場事情も大きく変わりそうです。

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