戦後から急速に全国へと普及したブロック塀。かなり頑丈そうにみえる材質ですが、実はそうでもないんです。実際に阪神淡路大震災では、1480カ所のブロック塀が倒壊。人が下敷きになったり、避難や救助活動の妨げになったり、大きな被害を生みました。
そんなこともあり、ここ数年で価値が見直されているのが、適度なサイズの木を塀として利用する “生け垣”。地面に根をはっているので地震で倒れる心配が少なく、防風、防音など壁の役割もしっかりと果たします。
CO2削減や街の景観美化にも効果的という数々の長所に目をつけ、そんな生け垣を推進しているのが兵庫県。隣り合った住宅数棟が樹高1m程度の常緑樹を生け垣として植えると、1mの幅につき5000円、最大75万円の補助金がおります。
また県とは別に神戸市でも同額の補助金が支給。ブロック塀を取り壊す場合には1m当たり5000円が追加され、総額10万円まで補助してくれます。(工事費の1/2が上限)
ほかにも全国各地で補助を行う自治体が続出しており、東京都では江東区、中野区、世田谷区、品川区、練馬区などが実施中。埼玉県川口市や神奈川県相模原市、愛知県名古屋市、宮崎県宮崎市といった地域も、それぞれ独自の政策で生け垣づくりを推進しています。
ちなみに葛飾区なら1mにつき2万3000円、練馬区なら1万円など、補助の上限金額も地域によってバラバラ。一定以上の高さや面積がないと補助金を出さないといった条件もあるようです。
生け垣をつくるときの植え付け間隔は30~40cmが基本。価格は種類や高さによって異なりますが、1.5mの苗で3000円程度が一般的です。とすると、5mの幅の生垣なら約4万5000円の費用。作業料や諸経費も含めて、10万円程度の予算が必要となります。
同じ規模のコンクリート塀を設ける費用も10万円強と同程度ですが、生け垣の場合はそこに補助金が適用され、およそ2万5000円から10万円が割引になる計算に。補助金が適用された分だけ生け垣がお得になります。無料で工事ができる地域もあるので、気になる方は区役所や市役所へ問い合わせてみましょう。
ローコストかつ住み良い街づくりに貢献できる生け垣づくり。灰色の壁に囲まれた路地よりも、緑豊かな木々に囲まれるほうが、素敵なお散歩が楽しめると思いませんか?
兵庫県「県民まちなみ緑化事業」
兵庫県神戸市「生垣等緑化推進助成」
東京都江東区「生垣緑化助成」
東京都中野区「樹木・樹林・生け垣の保護と助成制度」
東京都世田谷区「生垣・花壇・シンボルツリー・屋上・壁面緑化助成」
東京都品川区「生垣造成費用の一部助成」
東京都練馬区「生け垣助成制度」
埼玉県川口市「生け垣や屋上緑化等に対する補助制度」
神奈川県相模原市「生垣設置助成事業」
愛知県名古屋市「緑化スタイル・緑化の助成金」
宮崎県宮崎市「緑化に関する各種補助」