住まいの雑学
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2012年9月6日 (木)

平成生まれの若者たちが考える、スケールが大きいこれからの住まい

平成生まれの若者たちが考える、これからの住まいのカタチとは?_main

上野にある東京都美術館で「Arts & Life:生きるための家」展が開催されている。今年4月に東京都美術館がリニューアルオープンして以来初めてとなる企画展。「生きるための家」をテーマに国内外から公募された159点の建築デザイン案のなかから、建築家による審査などを経て選ばれた39点の模型が展示されている。

「未曽有の大震災を経て、これから私たちがどのような暮らしを実現させていくのか。また、そのときに実現される『住まい』はどのようなものであったら幸せなのか。本展に出品された39案の近未来の住宅モデルが、それらを考える際の一助となれば幸いです」

とは東京都美術館の学芸員・河野佑美さんの言葉。東日本大震災以降、住宅モデルも少しずつ変わっており、こちらではその変化を体験できるという。

そんな「Arts & Life:生きるための家」展に出展するのは、大学や大学院などに在学中の学生、または卒業5年以内の若手ばかり。平成生まれの、まさにこれからの建築界を担っていくだろう若者たちだ。

では、そんなフレッシュな彼らの作品のなかから、特に話題を呼んでいるものをいくつか紹介しよう。

■家族の生きるための家―大柱と屋根のつくる、住むための濃度―
(山田紗子・東京藝術大学大学院在籍)
最優秀賞。空間を厚い壁で覆わず緩やかにつなげることで、共生する家族の気配や生活シーンのさまざまな濃度を生み出すことを意図している。
平成生まれの若者たちが考える、これからの住まいのカタチとは?_1

■吹き抜けのある共同生活
(竹田和行・東京理科大学大学院在籍)
小嶋一浩賞受賞作品。個々のプライベートの空間が積層され、さらに1階から最上階まで吹き抜けが設けられている。無意識のうちに空間が緩やかにつながる仕掛けをもつ共同住宅型の提案。
平成生まれの若者たちが考える、これからの住まいのカタチとは?_2

■集合しようとする住宅
(秦彩奈・京都工芸繊維大学大学院在籍)
東京都美術館館長賞受賞作品。住宅が立地する環境や土地状況に合わせ、葉脈のように住宅が集合。年月や生活様式の変化によって、有機的に空間が構成され、さまざまな要素を内包する空間へと変化していく。


展覧会では、これ以外にも大スケールのモデルを観賞することができる。次世代を担う若者たちの作品をぜひ目にしよう。

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