住まいの雑学
前田実穂 /企画・エフェクト
前田実穂 /企画・エフェクト
2014年9月2日 (火)

ラクラク手に入る健康生活……「牛乳宅配」のいま

ラクラク手に入る健康生活……「牛乳宅配」のいま(画像提供:明治)
画像提供:明治

昔の家の軒下には必ず見かけたあの木箱……。そう、「牛乳ポスト」である。マンションが増えた現代ではあまり見かけなくなったが、現在の牛乳宅配サービスはどうなっているのだろう? 株式会社明治 広報部の壁谷幸輝さんにお話を伺った。

1928年にスタートし、今年で86年目を迎えるという“明治の宅配”。まずはこの牛乳宅配が始まった背景から教えていただいた。

「明治時代、牛乳販売は失業した武士の再就職口として注目され、当初は桶を担いだ牛乳売りが、家庭にある容器に柄杓(ひしゃく)で量り売るというものでした。これが牛乳宅配の始まりとされています。このころから一般市民が牛乳を口にする機会が増えました。そして、桶での量り売りは衛生面で問題があるため、後の1889年に制定された『牛乳搾取規則』によって、牛乳びんに入れて販売するようになりました」

歴史をさかのぼれば、武士が牛乳を売って歩いていたとは! そんな牛乳売りが、いつしか食卓に欠かせないものとなっていく。

「『明治牛乳(壜200ml)』の生産開始とともに宅配をスタートした1928年当時の価格は7銭、販売店数7店でした。1950年代〜70年代半ばまでが宅配全盛時代。ピーク時には配達軒数は約350万軒にのぼりました」

ここから、冷蔵庫の普及、量販店の台頭、商品ラインナップの強化・びんの改良などさまざまな要因で、時代とともに軒数は大きく上下してきたというが、現在の需要やサービス内容はどうなっているのだろうか?

「震災後の落ち込みなどもありましたが、現在の宅配軒数は約260万軒。スーパーやコンビニでは手に入らない宅配専用商品もあり、健康意識の高いお客さまを中心にお求め頂いています。開始時は『明治牛乳』1品のみでしたが、現在の全国発売品は17品。配達時間帯も当初は早朝配達が主でしたが、現在は昼時間帯での配達を始める販売店も増えています」

ちなみに気になるのが、もうほとんど見かけないあの牛乳ポスト。最近はどうなっているのだろうか? そしてオートロックマンションへの配達はどうなのだろう?

「消費者の『食品の安全・安心への高まり』から、より清潔感の高いプラスチック製で保冷性の高い構造のボックスになっています。オートロックマンションの場合はお客様が在宅の時間に配達するよう心がけたり、1日に2回訪問するなどの対応を行うこともあります」

忙しい毎日を送る現代の人々にとってうれしい宅配サービス。上手に活用して、健康習慣を取り入れてみては?

●取材協力
株式会社明治
HP:http://takuhaimeiji.jp
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