運が悪いと週に何度も聞かされる、隣の部屋からのエッチな声。物理的にうるさいだけでなく、独り身ならば寂しさやむなしさが募り、より迷惑に感じられることだろう。そこで、弁護士にスマートな対処法を聞いてみた。
騒音問題は、特に集合住宅に暮らす以上、誰もが当事者になり得るトラブルだ。乳幼児の泣き声や子どもの足音、夫婦ゲンカとおぼしき罵声など、その原因はさまざまである。
なかでも「あのときの声」は、内容が内容だけに直接隣人には注意しづらいだろう。とはいえ毎日のように聞かされていては、かなり迷惑。気になって眠れない日々が続くと、身体にも悪影響を及ぼしそうだ。
では、どうすれば騒音を控えさせ、安らかな朝を迎えることができるのだろう。弁護士さんによると、「管理会社や大家さんに『夜中に隣室から騒音が聞こえて迷惑している』と伝えて、穏便な解決を図ってもらうことをおすすめします」とのこと。
それでも効果がなければ、直接隣人に伝えるしかないようだ。その場合は相手に手紙を書くのが有効だという。
「隣室のポストに『夜中に気になる声がするので、少し抑えてもらいたい』と書いた手紙を投函し、相手の注意を喚起しましょう」(弁護士)
それでも隣人に改善が見られなかった場合、どうすればいいのだろうか。
「裁判所での話し合いによって紛争の解決を目指す、『民事調停』という道があります。ただし、相手が応じなければ単に不調となって終わってしまうだけになってしまいます」(弁護士)
張本人がダメなら、管理会社や大家さんに対して「損害賠償を!」なんて気にもなってくる。
けれども、弁護士さんによると「残念ながら、損害賠償を求めることは難しいでしょう」とのこと。
「過去に隣の部屋の犬の鳴き声がうるさいという理由で、不動産会社とマンションを所有している会社を訴えたというケースがあります。けれども、『原告主張の犬の鳴き声は社会生活上受忍すべき限度を超えたとは言えず、本件居室に瑕疵(かし)があるとも言えない』として、原告の請求はいずれも棄却されました」(弁護士)
つまり、「エッチな騒音」による被害を訴えても、管理会社や大家さんの責任を問うことはできないようだ。
夜な夜な聞こえる「エッチな騒音」に悩んだら、まずは管理事務所や大家さんに相談してみよう。それでもダメなら、手紙を書いて迷惑であることをアピールする。耳栓やヘッドホンを使った自衛策も考えたほうがよさそうだ。くれぐれも、「負けずにオレも!」と変なライバル心だけは燃やさないようにしたい。