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「土足で乗るな、客のロゴを手書きするな!」 中国人が理解できない「日本の船積みの常識」
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「土足で乗るな、客のロゴを手書きするな!」 中国人が理解できない「日本の船積みの常識」
こんにちは。中国在住の日本人ライター、Hanaです。前々回で中国での包装事情について取り上げましたが、今回は中国から日本にモノを輸入するときの「船積み」時の注意点についてお伝えします。
日本にモノを輸入するときには、「外箱」の状態にも注意を払う必要があります。多くの中国人は「外箱なんか関係ない」と思っているようですが、日本のお客様は、箱の状態が悪い商品を買いたがりません。輸入する側は、箱も中身と同様に美しくなくてはいけないのです。中身が食品であれば、なおさらです。
「箱が足りなくなったから」と悪気のない返事
しかし中国人には、あらかじめきちんと断っておかないと、日本人ならやらないことを平気でやってしまう。あるいは日本人ならすることを、中国人はしない、ということです。世界基準で比較すると、どちらがより普通なのかは正直分かりませんけどね…。
私が輸入に携わっている時に何度か問題になったのは、商品の外箱にくっきりと靴跡があること。これは明らかに積み込みの際、中国人の作業員が土足でコンテナに上がり、高い位置に箱を積み重ねるため、靴のまま他の箱の上に乗っているということです。
これを防ぐには、オーダーする時に「外箱の上にのるな。とにかく外箱を汚すな」という文面をはっきり記載する、あるいは別途文書にて要求する必要があります。
ついでに言うと、日本人の外箱に対するこだわりを、契約時にはっきりと伝えておくことが一つの方法かも知れません。なぜなら私から見ると、中国人にとって、外箱はもはや商品の一部ではないように思えるからです。
港に到着したコンテナ内部の写真を見て、目が点になったことがあります。なんと商品の一部の外箱に、本来印刷すべきロゴマークが、黒の太マジックで雑に手書きされていたのです。
「なんじゃこりゃ~!!」と、すぐさま輸出元に問い合わせると、「箱が足りなくなったから、他の箱を使ったんだよ」という悪気のない返事が。後でその箱をよく見てみると、他社のロゴマーク印刷の上に重ねてマジックで書かれており、しかもその他社とは、ウチのお客様の競合会社ではありませんか…。
「荷崩れ防止用」の資材も不十分
中国からのコンテナ積み込みでもう一つ注意すべき点は、「荷崩れ防止」の処置です。コンテナ内部に隙間があると、船が揺れた時や、港でコンテナの上げ下ろしの際に、コンテナの中で荷崩れを起こします。結果、外箱が痛んだり、破れたり、ひどい場合には中の商品まで破損することもあります。
荷崩れ防止策として、日本国内では荷崩れ防止用の多種多様な資材があります。ですが、中国からの貨物でそれほど凝った処置が施されているのを、いまだ見たことがありません。
今まで見た中で一番マシだったたのは、「荷崩れ防止ネット」が掛けられていた貨物です。あれならコスト面でも輸出企業にそれほど負担になりません。
ロープで括るという方法もあるにはありますが、重量のある貨物の場合、ロープが箱に食い込んで、そこから破れる恐れがあります。隙間だけの問題なら、緩衝材としてコンテナ用エアバッグ(中国語で「充気袋」)なども安く出ています。
こちらが何も言わなければ、相手も決して気を利かせたりしてくれません。気になる点はすべて要求し、その通りにやってくれたかどうか、逐一確かめましょう。(ライター:Hana)
あわせてよみたい:原因は分かっても「カイゼンできない」中国の工場
【プロフィール】Hana
九州出身の30代元OL。日本の中小企業で経理や貿易事務などの業務に携わった後、単身中国にわたる。現在は中国某都市で、日系企業の中国人社員を対象とした日本語教師をしている。中国文化と貿易事務に詳しい。