住まいの雑学
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佐藤 由紀子
2014年7月16日 (水)

建築会社がプロデュースするカフェが「地球と共にある暮らし」を提案

2014年にオープンした「建築工房零 ゼロ村市場」(写真撮影:筆者)
写真撮影:筆者

最近、仙台市内で建築会社が運営するカフェが話題になっているので、前回(https://suumo.jp/journal/2014/07/07/65746/)に続き、どんなカフェなのか訪ねてみた。

仙台市泉区上谷刈にシンプルながらひときわ目をひく建物がある。2階が『建築工房零』の事務所、1階は同社が手掛ける「ゼロ村市場」だ。「ゼロ村市場」の店内は広く、薪ストーブ・ペレットストーブ、職人手づくりの木や鉄のオリジナル家具、自然食品や天然酵母パンなどが展示販売されている。また、塗料など木の家のメンテナンス用品や、アウトドア料理や災害時に便利な発電鍋などユニークな商品もある。

建築会社がプロデュースするカフェが「地球と共にある暮らし」を提案

【画像1】北環状線沿いにあるゼロ村市場。無垢材を壁の一部に貼った素朴な外観(画像提供:建築工房零)

「ゼロ村市場」の店内奥にある「ゼロ村カフェ」は、昼はキッズスペース併設のカフェ、夜は大人向けのバーに変身し、ワークショップやライブなどのイベントも行っている。ランチは日替わりランチ(平日)、ベジランチ(日曜)と、野菜が豊富で、玄米ごはんなど健康に配慮したメニューだ。ドリンクも、蔵王産無農薬のハーブティー、玄米と麹だけで作った自家製の甘酒など、安全や健康へのこだわりが感じられる

建築会社がプロデュースするカフェが「地球と共にある暮らし」を提案

【画像2】明るいキッズスペース。コルクシートの下に断熱材が敷かれている(写真撮影:筆者)

このカフェ・市場を開設した目的をスタッフの佐藤翼さんに聞いた。「手間がかかっても、自然素材や自然エネルギーを活かし、四季を感じながら、本当の豊かさや幸せを感じて暮らすという『建築工房零』の考え方を知ってもらい、弊社の理想のライフスタイルを、見た目や雰囲気からも感じていただけるのでは、と思い開設しました。周辺はチェーン店が多く、ゆっくりできるスペースが少ないので、地域の人が集まる、くつろげる場をつくりたいという目的もありました」

建築会社がプロデュースするカフェが「地球と共にある暮らし」を提案

【画像3】建築工房零 建築グループ クラフトマンチームの佐藤翼さん(写真撮影:筆者)

建物は、以前バイク屋の倉庫として使われていた建物を、自分たちでリノベーションしたそうで、木でつくった棚とグリーンの他、ムダなものがない。コルクボードを敷いたキッズスペースには、たくさんの絵本が並び、その脇にはアップライトピアノもある。どちらも不要になったものを引き取ったそう。

そんなところにも『零』のエコマインドが感じられるが、さらに先の展開が……。泉ケ岳のふもとの森に、今は木材置き場・加工場として使っている広い土地があるという。将来、その地で無農薬の田畑をつくり、雨水や太陽熱など自然エネルギーを活用し、自然と寄り添いながら暮らす「ゼロ村構想」を描き、少しずつ準備を進めているという。

建築会社がプロデュースする「ゼロ村カフェ」は、店づくり、メニュー、品ぞろえ、インテリアなど、どれをとっても飲食やおしゃべりを楽しむだけのカフェとは違う。家づくりを通じて発信したいのは家という「形」ではなく、暮らしであり生き方だということを、カフェや市場を利用して感じた。

●建築工房零 ゼロ村市場
HP:http://www.zerocraft.com/zero-village/zeroichiba.html
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