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岡島梓 /企画・エフェクト
2014年9月5日 (金)

キーワードは地元下町! 街へ飛び出したすみだ水族館の決意

キーワードは地元下町! 街へ飛び出したすみだ水族館の決意(画像提供:すみだ水族館)
写真提供:すみだ水族館

東京スカイツリーの足元で、開業3年目を迎えたすみだ水族館。8月は館内の展示にとどまらず、かつて下町を巡り歩いていた“金魚屋台”を復刻、“ゆかたで銀ぶら”や“すみだ錦糸町江戸マルシェ”など都内のイベントに屋台を引いて参加し、多くのお客様に涼しげで懐かしい光景を提供した。

ところで、なぜ水族館内を飛び出し、街中での展示を始めたのだろうか。その理由を、すみだ水族館副支配人の山内さんと、企画担当の栗原さんに伺った。

「金魚売りは、水族館の原点ではないかという仮説から、この企画は始まりました」

一瞬、頭に“?”が浮かんだが、栗原さんが続けて説明してくれた。今も下町情緒が残る墨田区には、昭和30年代まで金魚売りの掛け声が響いていた。彼らは金魚を売るだけではなく、飼っている人のアフターケアをするため、町内の家々を回って歩いていたそうだ。金魚売りは、人と魚、そして町の人々のつながりを密にする仕事だったということなのだ。そんな金魚売りの在り方は、すみだ水族館が目指す姿にリンクした。

「私たちは、かつての金魚売りが果たしていた役割と同様に、お客様同士、お客様と飼育員、お客様と魚たちのコミュニケーションが楽しめる場であることを目指しています。『水族館のある暮らしは豊かで楽しい!』と、もっと多くの地元の方に感じていただきたい。だから、水族館にまず興味を持っていただけるよう、外に出ていこうと決めたんです」

そんな決意の表れが、金魚屋台だった。

企画に使われたレトロモダンな屋台は、墨田区を中心に活動するクリエイター集団『すみだクリエイターズクラブ』の協力で制作された。墨田区らしい雰囲気を感じる細かな造りは、地元のクリエイターと、水族館のスタッフが打ち合わせを重ねることで生み出されたものだったのだ。

下町文化をキーワードにした活動を今後も続けていくという、すみだ水族館。地元の方々が『自分たちの水族館』だと感じてくれる日も近いのではないだろうか。

●取材協力
すみだ水族館
HP:http://www.sumida-aquarium.com/
復刻アート屋台「江戸金号」展示中(8/18~終了日未定)
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