女性必見!使用期限を過ぎた化粧品が招く肌トラブルとは

公開日:2014年7月14日

化粧水などの基礎化粧品の使用期限は開封から半年!

化粧品を肌に塗る女性2
女性は化粧品の管理が大変……!

「美白」「保湿」「アンチエイジング」……次々と発売される魅力的な化粧品たち。ついつい新商品に手を出してしまい、メイクボックスに使いかけの化粧品が溜まってしまう……! そんな悩みを抱えている女性も多いのではないだろうか?

化粧品の使用期限って、一体どれくらいなの??
こうして開封から時間が経ってしまった化粧品は、一体いつまで使っていいの?
肌にかかる負担はどうなの?
スキンケアに関する書籍を数多く執筆する「よしき皮膚科クリニック銀座」 院長の吉木伸子先生に話を聞いてみた。

「化粧水や乳液、美容液などの基礎化粧品の使用期限は、大まかに言って、開封から半年です。これを過ぎると、化粧品本来の美容効果が下がったり、品質が劣化したりすることがあるのです。特に日焼け止めは、劣化がしやすいもののひとつ。去年開封した残りを今年も使うと、効果が下がっている可能性が高いので注意が必要です」(吉木先生)

原則として、化粧品の使用期限は開封から半年と考える必要があるようだ。また、未開封の場合の使用期限は以下のように考えよう。

・使用期限が記載されていれば厳守
・使用期限が記載されていなければ3年間は安全に使用可能

特に記載がない場合は、基本的には購入から3年間は品質が劣化することはほとんどない。長く使う予定がない化粧品は、購入日を箱などにメモしておくと便利だ。

詳しくは後述するが、購入から3年未満だとしても、誤った方法で保管していると劣化が早まり、3年を待たずに使えなくなってしまう可能性があることにも注意しよう。

使用期限を過ぎた化粧品を使い続けると肌の老化につながるかも

想像以上に、化粧品の使用期限は短いようだ。では、使用期限を過ぎた化粧品を使い続けた場合、肌にはどのようなトラブルが起こるのだろうか?

「化粧品に含まれる油脂などが古くなって酸化されると、過酸化脂質に変化して肌を刺激します。また、発生した活性酸素が肌をかさつかせたり、毛穴の開きやシワなどを促進させたりすることも。これらが重なり、肌の老化の原因となることも考えられます」(吉木先生)

つまり、使用期限の過ぎた化粧品を使うことで、肌の老化を進めてしまうのだ……! そうは言っても、魅力的な商品にはあれこれ手を出してしまいたくなるのが女性のさが。

無駄にせず、使用期限内に使い切れる、正しい化粧品選び方のコツって?

使用期限切れの化粧品を見分ける3つのチェックポイント

使用期限が切れているかどうかを見分けるポイントは3つある。まずは以下のポイントをチェックして、安全そうかどうかを見極めよう。

※使用期限が残っていた場合でも、使っているときに少しでも違和感を覚えたらただちに使用を中断することも忘れないようにしたい。
症状が悪化してしまった場合は病院に行き、医師の診断を仰ぐようにしよう。

化粧品のチェックポイント➀:変色していないかどうか

化粧品
化粧品は清潔に保管しよう!

白いクリームが黄色くなっていたり、透明の液体が濁っていたりするなど、変色が見られる化粧品は使わないようにしよう。

購入後の保管の仕方などで、劣化が早まっていることも考えられる。正常な商品と比べて明らかに色が違っているという場合、その化粧品の使用は中止した方が賢明だ。

化粧品のチェックポイント②:異臭がないかどうか

ツンとするような刺激臭や、腐敗したような臭いがする場合も、既に使用期限切れになった化粧品だと判断して良い。

肌に強い刺激が加わりダメージを受ける可能性が高いため、こういった化粧品はなるべく早めに処分しよう。

化粧品のチェックポイント③:成分が分離していないかどうか

中身を取り出したときに油分だけが出てきたり、ドロドロしたものが出てきたりするなど、成分が分離している場合も処分の対象となる。

このように成分が分離した化粧品も、使用期限が既に過ぎていると考えられる。商品の種類によっては判断しづらいケースもあるため、不安なときはカスタマーセンターに聞いてみると良いだろう。

化粧品を使用期限まで安全に使うための正しい保管方法

使用期限まで余裕があるとしても、保管方法を間違ってしまうと劣化が早まってしまう。

特に高価な化粧品の場合、使えなくなってしまうとショックも大きくなってしまう。せっかく選んで買った化粧品を無駄にしないためにも、以下のポイントを守って正しく保管しよう。

化粧品の保管方法➀:ふたを閉めて酸化を防ぐ

ふたを開けっぱなしにしていたり、きちんと締め切っていなかったりすると、成分が空気に触れて酸化してしまう。そのため、化粧品を使った後はしっかりとふたが閉じているか確認しよう。

特に忙しい朝のメイクのときは、ふたを閉めずに出かけてしまうことも少なくはない。場合によって半開きになってしまうこともあるため、忙しいときこそきちんと確認し、ふたの締め忘れを防ぐようにしよう。

化粧品の保管方法②:常温で保管する

化粧品は基本的に、直射日光の当たらない常温の暗所で保管することが鉄則。化粧水や乳液を冷蔵庫で保管する人も多いが、これも品質の劣化という見方で考えればおすすめできない。以下のような保管場所はNGなので、こういった場所で保管している場合は習慣を改めよう。

・暖房器具の近く
・乾燥機の近く
・窓際
・冷蔵庫の中

化粧品の保管方法③:日陰で保管する

日陰
日陰で保管することが大事!

先ほどの項目でも述べたように、直射日光が当たる窓際で化粧品を保管することも避けよう。温度差が加わると劣化が早まり、分離や変色といった問題も起こりやすくなってしまう。

できるだけ温度の変化が起こらないような場所に保管しておき、できるだけ長持ちさせるようにしよう。

化粧品は使用期限が切れる前に使い切ろう

「広告のキャッチコピーにつられて、ついネットショップやドラッグストアなどで衝動買いする人が多いようですね。このような選び方をしていると、使っているうちに選んだ理由を忘れてしまい、次から次へと別の商品に目移りしてしまう。きちんと『肌理論』、つまり肌の仕組みを学んだうえで、自分の肌質に合った成分で選ぶようにすると、迷いがなくなるはずですよ」(吉木先生)

最後に、肌理論に基づいた肌質別の効果的な成分を挙げておこう。

●乾燥肌……セラミドが必要。成分表示にセラミドとある、保湿美容液を使うと良い。
●脂性肌……ビタミンC誘導体化粧水を使うと効果的。特にリン酸アスコルビルに注目。
●オイリードライ(混合)肌……ビタミンC誘導体化粧水を全体につけ、Uゾーンにだけヒアルロン酸かセラミドの美容液を補うと良い。

自分の肌質を把握することで、さまざまな情報に惑わされることなく、ピッタリの化粧品と出会うことができるはず。化粧品の使用期限は未開封でも3年間、開封済の場合は半年間と短い。

使用期限切れにしてしまう前に、選び方から見つめ直してみるといいかもしれない。

教えてくれた人

吉木伸子

「よしき皮膚科クリニック銀座」院長。レーザー、ケミカルピーリングなどの美容皮膚科学と漢方を取り入れた皮膚科治療が専門。「いちばん正しいスキンケアの教科書」(西東社)、「美人に化粧水はいらない」(講談社)、「美肌のお医者さんが教える「1分間」スキンケア」(三笠書房)など、著書多数。

(波多野友子+ノオト)

2021年6月加筆=CHINTAI情報局編集部

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