巷では空前のクラフトビールブーム。続々と新店がオープンしています。「ビールって苦いばかりで、全然おいしさがわからない……」と思っていた人も、クラフトビールを飲んでみて「あ! これならイケるかも!」と開眼した人も多いのでは?
実は筆者もそんなひとり。「そもそも『とりあえずビール』の意味がわからん!」と思っていたのですが、特にこの時期は、「やっぱり一杯目はビールが一番! 特にホップの香りが華やかで、コリアンダーが効いてるちょっとフルーティなやつ!」とか、ちょっとビール通気取りで思っちゃうんですよね。
そんなにわかビール通も真のビール通も、こぞって注目しているのが、今年4月ログロード代官山にオープンした「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」。あのキリンビールが子会社を作ってまで立ちあげたクラフトビール専門店とあって、時間によっては予約が取りにくいほどの盛況となっています。
例えばこの「ペアリングセット」(税込2,000円)。個性豊かなビール6種類と、それぞれのビールに合わせたおつまみが味わえるんですよ! ビールとおつまみのマリアージュ!
これは足を運ばないと……と思っていたところ、ちょっとした噂を聞きつけました。それは「メニューに載っていない特別なビールがひそかに提供されているらしい」というもの。そこで、お店のかたに直撃取材してみました!
――メニューに載っていない特別なビールがあると聞いたのですが、本当ですか?
「はい、ございますよ(あっさり)」
――!! それはいったいどんなビールなんでしょうか。
「『ビアインフューザー』というビアサーバーにフルーツやホップなどお好みの素材を入れ、そのなかにビールを通すことで香りづけをする「カスタマイズビール」です。『ビアインフューザー』は当社が独自開発を行った完全オリジナルの装置で、『ビアバリスタ』と呼ばれるスタッフがカスタマイズしている様子を、直接見て楽しんでいただくことができますよ。
これがその「ビアインフューザー」。スタイリッシュ!
ビアバリスタがビールをカスタマイズしてくれます。
――今までにどんなカスタマイズビールを造られたんですか?
「当店のフラッグシップブランドである『496』をオーストラリア産ホップの『Galaxy』でカスタマイズしたビール『496×Galaxy』や、ラズベリーの香りが爽やかな『JAZZBERRY』にシナモンを合わせたビールなどを造りました。特に『496×Galaxy』はカスタマイズしている様子や香りの変化のインパクトが大きく、多くのお客様によろこんでいただけましたよ。
――ちなみに、現在試作されているカスタマイズビールはありますか?
「季節柄、さわやかな柑橘系の素材をいろいろテストしているのですが、まだ納得のいく味になっていないんです。完成しましたらぜひご提供したいと思うので、今しばらくお待ちください! それとはまた別ですが、10月に今年収穫したホップで造ったビールの解禁を祝う『フレッシュホップフェスト』というイベントを予定しています。このイベントのために数量限定のビールを考えていますので、そちらもぜひ楽しみにしていてください」
「カスタマイズビール」は今のところ1日数量限定50杯で提供されているとのこと。味わいや価格も素材によって異なるので、その日にしか出会えない「一期一会の味」を楽しみたいですよね。
お店は朝8時(!)からオープンするとあって、ちらほら「朝ビール」を楽しむ方もいれば、平日でもランチ時にビールを注文する方もいるそう。「夜・仕事終わり」だけではない新しいビールの飲み方が浸透し始めているのかもしれませんね!
お店情報
SPRING VALLEY BREWERY TOKYO
東京都渋谷区代官山町13 ログロード代官山内
TEL:03-6416-4960
営業時間: 8:00~24:00 (L.O.22:30)、日祝 8:00~22:00(L.O.21:00)
書いた人:大矢幸世
転勤族の父親と夫を持ったがために、愛媛、群馬、東京、京都、福岡、鹿児島、福井を渡り歩いた流浪系ライター。現在地は東京。地元はしいて言えば福岡。立命館大学卒業後、百貨店勤務、フリーペーパーの編集を経てフリーランスに。月刊誌や広報誌、WEBなど各媒体で執筆中。著書に『鹿児島カフェ散歩』(書肆侃侃房)。