今度こそタバコをやめたい!「禁煙外来」ってどんなどころ?

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4月1日から消費税引き上げの影響で、タバコが一部銘柄を除き、10円~20円の値上げとなった。「これを機に禁煙しようかな」と思う人もいるかもしれないが、これまでの習慣をやめるのはなかなか難しいもの。

なかなかやめられないタバコ……。医師の力を借りるのも一つの手だ

なかなかやめられないタバコ……。医師の力を借りるのも一つの手だ

禁煙失敗続きの方にオススメしたいのが、「禁煙外来」だ。タバコをやめるために病院に行くなんて、大げさな気もするが……。今回は麻布医院の看護師さんに話を聞いてみた。

「禁煙外来」ってどんなところ?

「禁煙外来は、喫煙習慣によるニコチン依存症を『薬物依存』という病気として治療する外来科です。2006年4月からは、一定の条件を満たすと、保険適用もできるようになりました」

保険適用となる条件は以下の通り。

・ニコチン依存度テスト結果が5点以上
・1日の平均喫煙本数×喫煙年数が200以上
・直ちに禁煙することを希望している
・禁煙治療についての説明を受け、治療内容に同意している

「禁煙治療にかかる費用は、3割負担となる場合およそ2万円です。1度治療を開始すると、その日から1年間は保険が適用できなくなります」

途中で治療をやめてしまい12週間が経過したときや定められた治療期間が終了した後も、継続して治療を受けたいときは、自費診療となるので注意が必要だ。

どんな治療をするの?

「禁煙外来は内服薬を使用する場合、12週間で計5回の診療を行います。12週間というのは、依存から抜け出すのにかかるとされている期間です。初回の診療で、まず喫煙状況やニコチン依存度、呼気に含まれる一酸化炭素量をチェックして、患者さんにあった禁煙補助薬を処方しています」

禁煙の一番の壁は、ニコチン切れによって生じる禁断症状。イライラしたり、集中力が落ちたりするのはその表れだ。禁煙補助薬はこういった症状を和らげてくれる。

「当院では、『チャンピックス』という内服薬をメインで使用しています。タバコを吸ってニコチンが体内に吸収されると、脳から快感物質が出ます。チャンピックスはニコチンの作用を阻むので、タバコを吸っても『おいしい』と感じなくなるのです」

眠気などの副作用が出る可能性があるので、仕事などで日常的に車を運転される患者には、ニコチンパッチを使用するとのこと。皮膚や粘膜に貼ったシールからニコチンが体内に吸収されるので、禁断症状を抑えながら徐々に摂取量を減らしていくことができるのだ。

禁煙外来のメリットは?

「禁煙外来は、自力での禁煙で伴いがちな大きなストレスを軽減できる点にメリットがあります。薬を使って禁断症状を抑えられますし、他人の目でチェックが入ったり、アドバイスをしてもらえたりします。ちゃんと禁煙できていないと、我々が叱ることもありますよ」

タバコを吸い続ければ、自分だけでなく、周りの人の健康にも被害を及ぼす可能性がある。また、値上げによって、経済的にも負担が大きくなることだろう。思い立ったが吉日。なかなか禁煙できないという人は禁煙外来を利用してみては?

(中道薫/ノオト)

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