係争委訴訟29日結審 初回弁論、10分で閉廷


この記事を書いた人 Avatar photo 金城 潤

 名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを国土交通相が執行停止決定したことについて、国地方係争処理委員会(係争委)による不服申し出却下を経て、県が同決定の取り消しを求めて国を相手に今月提起した訴訟の第1回口頭弁論が15日、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)であった。多見谷裁判長は次回期日を29日に指定し、同日に結審する方針を示した。

 弁論は県側・国側双方から事前に提出されていた書面のやりとりで進行し、10分弱で閉廷した。
 県は沖縄防衛局が一般私人にはできない「固有の資格」で辺野古の埋め立て承認を申請したと主張している。「固有の資格」があれば私人の権利利益の救済のための行政不服審査法を用いることはできないため、防衛局による行政不服審査法に基づく執行停止申し立ては不適法だとしている。そのため申し立てを認めた国交相の執行停止決定を違法と主張している。
 国は執行停止決定は地方自治体に対する「国の関与」に当たらないと主張し、県の訴えは不適法などとして、裁判所に県の請求を退けるよう求めている。
 同訴訟では、15日午前に傍聴券の抽選があった。一般傍聴席32席に対し、377人が傍聴を希望した。同日の代執行訴訟の傍聴希望者は383人だった。