日本一暑い街として知られる、埼玉県・熊谷市。同市では今年の夏も暑さに対する対策として、さまざまなプロジェクトを行っている。一体どんな内容のプロジェクトなのか、その一端を見てみたい。
■あつさ はればれ 熊谷流プロジェクト
平成19年に国内最高気温40.9度を更新したことをきっかけに『あつさ はればれ 熊谷流』と銘打ち、健康、温暖化防止、地域資源活用などの対策を行っている。
【熊谷市みどりのカーテン補助金】
市内の建物に、3m2以上の壁面緑化を実施した個人や法人に、5000円を限度に購入額の半分について補助を行っている。
【100年の森づくり事業】
熊谷のヒートアイランドのメカニズムを研究する大学と連携した森づくり事業。市街地の冷却も視野に入れ、平成20年より植樹を開始した。
【熊谷市限定! オリジナル扇子・うちわ】
熊谷市の暑い夏にぴったりの、オリジナルのうちわや扇子を作成。市のキャラクター“あつべえ”が描かれたうちわや、暑さにちなんだ俳句が書かれた扇子なども。市役所で販売されており、お土産としても利用可能。
■暑さ対策プロジェクト
平成22年より、暑さ対策プロジェクトチームを設置。暑さを活用した地域の活性化と情報発信を図ることを目的とし、市独自の暑さ対策プロジェクトを行っている。
【まちなかオアシス事業】
屋外などで暑さの影響で気分が悪くなったときなど、一時的な休憩場所として利用してもらうため施設を市内公共施設22カ所に開設。水分補給などもできる。各施設にはPR用ののぼり旗を設置。
【熱中症予防グッズ配布事業】
75歳以上の高齢者や小学生など、熱中症に掛かりやすい市民に対し“クールスカーフ”を配布し、熱中症患者の減少を図っている。
【涼しさ体感アート事業】
熊谷市内の駅階段の全6カ所に“涼”“水”“青”をテーマにした“階段アート”を公募し、決定したアートを期間限定で展示。見た目にも涼しげな空間に。
緑化事業はもちろん、熱中症予防グッズの配布や、オリジナルうちわの販売にも取り組む熊谷市。日本一の暑さというマイナス点を逆手にとって、市をアピールする前向きな姿勢は、ほかの自治体も見習うべきなのかもしれない。