住まいの雑学
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榎並 紀行(やじろべえ)
2012年8月2日 (木)

激ウマ市場メシで、朝の食生活を改善してみた

なんとなく食べたほうがいいんだろうなとは思っていても、ついスルーしてしまいがちな朝食。特に独身の場合、わざわざ一人分を毎朝つくるのはめんどうだし、外で食べるにしても朝だとマックや立ち食い蕎麦、牛丼などしか選択肢がなく、バリエーション的にツライ。

そんな朝メシに難儀する我々の強い味方になってくれるのが、早朝から稼働している市場だ。市場には、そこで働く業者や仲買人の胃袋を満たすための食堂街が発展している。これら食堂の多くは一般客にも開放されているので、市場の近くに住めば毎日うまい朝メシにありつくことができるのだ。

探せば意外と多い、各地のマイナー市場

市場といっても観光スポット的な市場から、プロの仲買人が行き交う本気の市場までさまざま。例えば東京都が設置している「東京都中央卸売市場」は都内11カ所に点在。観光客に人気の高い築地市場をはじめ、青果物の取り扱い日本一を誇る大田市場(平成22年)、全国のブランド牛、ブランド豚が集まる食肉市場などがある。

激ウマ市場メシで、朝の食生活を改善してみた東京都大田区の大田市場

また、東京メトロ東西線「浦安駅」から徒歩2分の場所にある「浦安魚市場」(千葉県浦安市)は、個人でも魚の切り身ひと切れから購入できる魚市場。場内の食堂では、早朝から新鮮な魚介類を使った海鮮丼や江戸前の天ぷらが味わえる。また、JR南武線「尻手駅」から徒歩5分の「川崎市南部市場」(神奈川県川崎市)では、2010年4月のリニューアルオープンを機に、一般客に向けて市場の魅力を広くアピールするイベントを積極的に開催。
場内には、市場の新鮮な食材を使った寿司店のほか、和定食、中華、うどん・そばの4種類が並ぶ。みなさんのご自宅近辺にも、探せばこうした魅力的なマイナー市場があるかもしれない。

じつは筆者宅の近所にも東京都中央卸売市場のひとつ「葛西市場」がある。プロの業者が粛々と働く場内に観光客の姿は皆無だが、敷地内の食堂は一般にも開放されているようだ。問い合わせてみたところ、市場の中を見学する場合は事前申請が必要だが、食堂だけなら飛び込みで利用可能とのこと。というわけで、さっそく朝の市場に潜入してみることにした。

定食からアルコールまで、充実のメニュー

入口にドーンと鎮座する警備員の詰め所に若干ビビリつつも、ためらうことなく入場。先に述べた通り、基本的にここは観光客ウェルカムな市場ではないため場内にはややピリピリしたムードもあるが、無断で写真を撮ったり、お仕事の邪魔になる行為をしなければ特に何かを言われることもない。礼儀正しく場内の隅っこを歩き、管理棟1階にある食堂街へたどり着く。

食堂街では3軒の飲食店が営業中。そのうちの一軒「小池寿司食堂」へ。こちら、なんと朝の4時から営業しているという。店名からして寿司屋かと思いきや、店内を見渡すと「肉やさい炒め定食」「豚肉生姜焼き定食」といった豊富な定食類からカレー、カツ丼、ラーメン、チャーハン、ちらし寿司まで何でもアリのメニュー構成。そのうえ、ビールに焼酎、酎ハイ、日本酒などのアルコール類、つまみも充実しているので、出社前に一杯ひっかけていくことも可能だ。

激ウマ市場メシで、朝の食生活を改善してみた「あこう鯛の粕漬け定食」700円

こういった食堂では市場直送のイキのいい鮮魚が味わえるイメージだが、残念ながら葛西市場で取り扱うのは青果と花。水産加工品は扱っていない。それでも、市場の食堂で食べるとなんとなくうまい気がしてしまうから不思議だ。注文した「あこう鯛の粕漬け定食」は山もりご飯に、メインのあこう鯛、味噌汁、副菜の小鉢がついて700円。ボリューム満点の愛情メニューで市場の男たちをサポートしている。

朝からしっかりパワーをチャージできる市場メシは、独身ビジネスマンにとっても強い味方。筆者自身、この日からほぼ毎朝市場へ行くようになったのだが、朝メシが楽しみすぎて早起きするようになり、結果、夜型で不規則だった生活スタイルまで改善できてしまった。

忙しさのあまり食生活が乱れがちな皆さん。市場メシ、オススメですよ。

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