ここ6年以内に、住宅を購入したママ2038人にウィメンズパーク(ベネッセコーポレーション)と共同でアンケート調査を行った結果、ママの住まい探しの購入タイミングで最も多いのは、「子どもの年齢が0~2歳のとき」でしたが( https://suumo.jp/journal/2013/03/25/40299/)、では、いったいいくらぐらいの予算が妥当なのでしょう。 今回は、「マイホーム購入のお金」についてデータと、筆者が独自に集めた先輩ママたちの生の声をもとに、ホントのトコロを探ってみました。
アンケート結果によると、物件価格は(1)2000万円台後半 (2)3000万円台の順で多い結果でした(グラフ(1)参照)。しかし、もちろんエリアによっても相場は違い、首都圏は3567万円、関西圏は3096万円、そのほかのエリアは2727万円が購入平均額です。
自己資金額は、幅広いアンケート結果になりました。ただ200万円未満が14.3%程度なのに対し、1000万円以上は3割以上、なかには「ローンを利用していない」という人も7.8%もいるので、「ちゃんと貯蓄してからマイホーム購入」をしていることが分かります(グラフ(2)参照)。
またボーナス時返済をしている人も3割未満(グラフ(3)参照)。「支給額が不安定なボーナス支払いはあてにしないほうがいいので、堅実といえるでしょう。
ただし、頭金をいくらいれたかによっても事情が異なりますが、年収と物件価格の関係でみると決して「堅実だけではない」という結果がでました。
「年収に対し物件価格が分不相応でないか」の簡単な目安のひとつに、年収倍率があります。単純に〔物件価格〕÷〔年収〕で計算しますが、基本的に「年収倍率は5倍以内が望ましい」とされています。
アンケートでみると、年収倍率は「5倍以上6倍未満」が最も多く、「4倍以上5倍未満」が最も少ない結果になりました。つまり「背伸びしてマイホームを購入している」状況が分かります(グラフ(4)参照)。
また「年収倍率4倍未満」という楽勝ラインも3割もいる一方、「6倍以上」という赤信号ラインも3割以上。頭金をいくらいれたかによっても事情が異なりますが、頭金が少なく、年収倍率が高い場合には、ローンが家計を圧迫している世帯もあるでしょう。
予算を決める要素は、現在の貯蓄額、毎月の返済額、ローンの種類や返済期間などがありますが、そのうえで、実は「自分の暮らしのなかで家の優先順位はどこまで高いか」ということも重要です。
「マイホーム購入のお金」データをみると、「妥協したくない」派の意見では、「一生住む家だから理想に近い家でなければ。私がパートを決めて、家計の足しにしている」、「外食を減らす、車も手放す、夫の実家へ帰省しない、などとことん節約している」というようなコメントが多く、「妥協しない」代わりに、「自分が仕事をする」か「家計をとことん節約する」かどちらかを選ばざるをえないのが実情かもしれません。
例えば、筆者が身近なママに聞いてみたところ、8歳の女の子、4歳の男の子、2歳の女の子3人のママであるOさんは、「一生に一度の買い物なので、妥協はしたくない! 土地を買い、無垢材を使った天井の高い家を建てました。確かにローンは大変だけど、共働きなので何とかなるかなと。仕事を続けるモチベーションのひとつにもなっています」という。
一方、「無理をしない」派の意見では、「夫の収入だけでやりくりすることを考えると、予算オーバーの物件は最初から見なかった」、「どうにかなりそうな気もしたが、家のローンだけで生活が苦しくなるのは嫌だった」というコメントがありました。
筆者の友人であり、かなり予算を抑えて、中古マンションを購入した5歳の息子と3歳の娘のママであるYさんによると、「どこの営業担当者からも、“もっと予算を上げられますよ”って言われました。でも、この先、収入がどうなるか分からないでしょう。結局、中古にして価格を下げました。おかげで旅行や洋服など好きなものにお金をかけられますし、教育費を貯める余裕もあります」という意見もあります。
予算を決めるときは、「暮らしのなかで住まいの優先順位はどこまで高いか」も家族で一緒に考えて見ましょう。