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連載先輩ママに聞く、マイホーム購入
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長谷井 涼子
2014年5月27日 (火)

意外?マイホーム購入は、妻より夫のほうが乗り気だった?

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写真:iStock / thinkstock

2006年以降に住宅を購入したママ2075人にウィメンズパーク(ベネッセコーポレーション)と共同でアンケート調査を実施。その結果から見えてきた「子育て世帯のマイホーム購入の実態」についてシリーズで紹介します。
今回は、「マイホーム購入、乗り気だったのは夫か妻か」の設問。実は、想定外の結果になりました。

「マイホーム購入は妻が主役」ではなかった?

「マイホーム購入に対して乗り気だったのはどちらですか?」の質問に対し、最も多かったのが「どちらも乗り気だった」という回答で、全体の4割以上を占めます。

そして驚きなのが、「主に夫」「どちらかというと夫」の回答の合計が全体の3割以上で、「主に妻」「どちらかというと妻」という回答を上回る結果に。マイホーム購入といえば、「家にいる時間が長く、家やインテリアに関心のある女性のほうが乗り気で、ローンを抱えることになる夫が消極的」と思われがちですが、実は3組に1組が、「夫のほうが乗り気」だったのです。

意外?マイホーム購入は、妻より夫のほうが乗り気だった?

【図1】マイホーム購入に対して乗り気だったのはどちらですか?

かつては“男は外でバリバリ働き、女が家を守る”という夫婦のありようがスタンダードとされてきたため、「家」は妻の担当分野とされてきたかもしれませんが、今は価値観も多様化。マイホーム購入=資産形成の手段のひとつと捉えて夫が乗り出してくる場合や、男性向けのインテリアや住宅雑誌が多く出版されていることから、マイホーム購入に興味が持ちやすくなった、という面もあるかもしれません。

妻が乗り気でなかった理由とは?

では、どうして妻は乗り気じゃなかったのでしょうか? 理由はいろいろありますが、多かった意見を列挙すると……。

・ご近所付き合いが面倒・・・「家を買ったら、近所付き合いが面倒」、「賃貸のほうが、近所に嫌な人がいてもすぐ引越せる」
・夫の親と同居になるから・・・「新居を建てる=義母と同居なので嫌だった」、「結婚と同時に同居になるのは、さすがにちょっと」
・ローンが嫌・・・「自分が専業主婦でローンを抱えるのは不安だった」、「ローンを組んで自由に使えるお金が減るのが嫌」
・今の住まいで満足・・・「当時住んでいた賃貸マンションに不満はなかった」、「当時住んでいた市営住宅は、家賃が安く住環境も良かったので」
・それどころじゃない・・・「子どもが生まれたばかりで、マイホームどころじゃなかった」、「育児のことで頭がいっぱいで、まだ先でいいと思っていた」
・転勤族なのに・・・「購入後、転勤となると単身赴任になり、不安」、「転勤になったら売ったり貸したりするのが面倒」、「社宅住まいのほうが気楽」

妻は“人間関係”を重視し、“過去や未来より、現在の暮らし”を大事にする傾向があるようです。まさに現実的な女性らしい反対意見だといえるでしょう。

どうやって説得された?説得される経緯は意外と簡単

では、そんな乗り気でない妻は夫にどう説得されたのでしょうか? 多かった夫側の説得トークを羅列すると……。

・子どものため・・・「子どもが小学校入学(もしくは幼稚園・保育園入園) までに決めたほうがいい」、「子どもをのびのびと育てるには今の賃貸では無理」
・家賃が無駄・・・「家賃と同じ負担で、もっと広い家に住める」、「より広い部屋に引越すとなると家賃は高すぎる」
・ローンを組むなら今のうち・・・「ローンを組むなら早いほうがいい」、「(夫の)年齢を考えると最後のタイミングだから」

など、家賃を払ったりローンを組むのは夫になることが多いので、お金に関わるところで説得されたというのが特に多いようです。

しかし、その一方、「ローンを組むのは夫なので、ほぼ一方的に」、「決めるのは夫なので、説得もなにも」、「気に入った物件があったようで、夫が決めてきてしまった」という意見も多数ありました。

妻側も、マイホームに関する不安はあるものの、いまの家よりも広くなったり新しくなること自体は歓迎しているため、ローンの担い手である夫がその気なら、「乗り気ではないけれど、特に反対もしなかった」というのが実情かもしれません。

夫をその気にさせるには手間も時間もかかる?

その一方、乗り気でない夫を妻が説得する方法は多種多様。
・「とにかく現地やモデルルームに連れて行った」
・「友人が3人立て続けに結婚と同時に購入していたので、その話をした」
・「チラシを集めまくり、賃貸よりも購入が得だと1年かけて説得。実際に内見するうちに、夫にも購買意欲が出てきた」
・「購入してローンを組んだ場合の生活や貯金について、徹底的にシミュレーションを行い、無理のない計画を立てるようにした」
・「夫の趣味のバスフィッシングが楽しめる部屋ができるよと言って“アメ”を与え、賃貸マンションの家賃が更新で上がるねぇと脅した“ムチ”の両方を囁き続けた」
・「情報収集や手配など面倒なことは引き受けて、1人でも現地見学に行き、本気度をアピール。意見がぶつかったら、こっちが譲歩もします」
・「夫は共働き希望だったため、“それなら実家の近くに家を持ちたい”と交換条件で」
・「このままアパート暮らしだと、“静かに”、“どんどんしない”と必要以上に子どもをしからなければいけないくなるよと脅かした」
・「保育園入園前に決めないと、立地の選択肢が狭くなるし、転園なんて無理だよとタイムリミットを設けた」

など、かなりの手間と時間をかけています。夫をその気にさせるのはなかなか大変なようですが、“ローンを組むのは夫だから、夫がその気にならないと始まらない”というケースが多いだけに、避けては通れない難関のようです。

このように、夫婦それぞれにマイホームへの温度差があるのは当然のよう。必ずしも両方とも乗り気じゃないと始まらないものではなく、探す過程のなかでその気になったり、いい物件が見つかれば、突然スイッチが入る場合もあるようです。なかには、「反対というより、“面倒くさい”という理由で腰が重かっただけなので、こちらでどんどん手続きを進めて、実力行使をしていきました」という人も。
まずはどちらかが購入を意識したタイミングで動いてみることが大切かもしれません。

次回は、マイホーム購入の最初の条件「エリア選び」について紹介します。

●SUUMO×ウィメンズパーク『妻から見た住まい購入に関する意識調査』調査概要
■調査期間: 2013年5月30日(木)~2013年6月8日(土)
■調査方法: インターネット調査
■対象: 日本在住の『ウィメンズパーク』会員のうち、2006年1月以降に住宅購入の経験のある既婚女性
■集計数: 期間内に回答のあったうち、25~49歳の既婚女性2075名(25~29歳:172名、30~34歳:678 名、35~39歳:773名、40~44歳:425名、45~49歳:27名)
※%を表示する際に小数点第2位で四捨五入しているため%の合計が100%と一致しないことがあります
https://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2015/05/c00b2e730a722698ad170394ef6a6e8f.jpg
連載 先輩ママに聞く、マイホーム購入 いつ買った?住宅ローンは?実家との距離は?SUUMO×ウィメンズパークの調査から分かった、先輩ママたちのマイホーム購入事情を紹介します。
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