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平野ゆかり
平野 ゆかり
2011年10月17日 (月)

世界初!トリプル発電による“自立できる家”とは?

東日本大震災以降、日本のエネルギー事情が大きく変わりつつある。「震災が起こるつい最近まで、住宅のエネルギーは太陽光発電と燃料電池のダブル発電で通常は大丈夫という状況でした。それまでにも蓄電池を備えた住宅を販売してはいましたが、あまり大きな需要はありませんでした」と語る積水ハウス広報部部長の高原さん。蓄電池は価格の高さがネックになっていたという。しかしながら震災時に停電、以降計画停電、ピークカットなどがあり、エネルギーへの意識が急激に上昇。家電量販店に高額な蓄電池を買い求める人が増えたのも事実だ。
「会社のほうにも、問い合わせが急増しました。そこで太陽電池と燃料電池、蓄電池、この3電池を組み合わせた新商品として、「グリーンファースト ハイブリッド」を開発しました」

平常時にもエネルギーを有効活用、非常時には自動で切り替わり電力を確保できる

世界初!トリプル発電による“自立できる家”とは?

トリプル発電で自立できる「グリーンファースト ハイブリッド」のポイントは3つある。
(1)容量8.96kWhの大型蓄電池を搭載
(2)光熱費を年間26万円削減(光熱費はゼロ)、日中は「街の発電所」になる
(3)非常時も自動的にシステムが稼動し安定した電力を継続供給

蓄電池の8.96kWhという容量、これは停電時に蓄電池だけでも冷蔵庫、液晶テレビ、照明を継続して約17時間使用できる容量だ。電力は①燃料電池、②太陽電池、③蓄電池、④電力会社からの電力という順番で使用される。日中はできる限り燃料電池の発電でまかない、太陽電池の余剰電力の売電量を増やし、「街の発電所」として節電社会に貢献する。3電池を効率良く連動させることにより、快適な生活を送りながら光熱費は年間26万4300円削減される。一般的な住宅での年間光熱費は25万2900円なので、トータルで1万1400円のマイナスになるという。

電気、ガス、水道の供給が止まった非常時はどうなるか? 非常時には自動的に電力供給システムが切り替わり、日中の太陽電池の発電で充電し、夜間は蓄電池から電力を供給する。
この商品の価格は、太陽電池3.5kWh、燃料電池、蓄電池を備えるシステムが約600万円になる。国の補助金が今まで通りなら125万円出る。そうすると自己負担は約475万円だ。上記、光熱費の削減を考慮すると約18年で回収できることになる。
災害が起こると、あわてて防災グッズを備えるのだが、いつ起こるか分からない災害だけに、それらのグッズがいざというときに実際に稼動するかどうかの不安はある。家庭用蓄電池にしてもしかりだ。しかしながらこの「グリーンファースト ハイブリッド」は平常時に稼動しているものなので、非常時にも稼動するという安心感があり、まさに約600万円はその安心感も含めた価格ともいえる。

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