アジェンダ、エビデンス、オーソライズ...カタカナ英語を使いたがるビジネスマンが"ダサい"理由

あなたは「言葉」でできている
『あなたは「言葉」でできている』
ひきた よしあき
実業之日本社
1,620円(税込)
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「それ、ちゃんとエビデンスとった?」
「あ、その案件ペンディングで」
「ちゃんとフレームワークを意識したアジェンダにしてくれないか?」

 あなたの周囲に、このようにやたらとカタカナ英語を使ってくるビジネスマンはいませんか? きちんと意味が通じていれば問題はないかもしれませんが、むやみに使わなくとも日本語で十分意味の通じる内容であるが故に、どうしても鼻についてしまうという人も多いかもしれません。

 今年1月、NTTコムオンライン・マーケティング・ソリューションは1060人の男女に対し、「日本語で言ってくれれば意味がわかるのに...と思うカタカナ語」を調査しています。

 その結果、
1位 アジェンダ(計画、予定)
2位 オーソライズ(公認・承認すること)
3位 オルタナティブ(二者択一、代案)
4位 エビデンス(証拠、根拠)
5位 バジェット(予算)
 と、上位にはこの5つがランクイン。どれも明らかに日本語の方が分かりやすい言葉ばかりです。

 言葉を扱うことを生業の一つとする広告会社、博報堂のクリエイティブ・プロデューサーであるひきたよしあき氏は、自身の著書『あなたは「言葉」でできている』の中で、使わなくても意味の通じるカタカナ英語のことを「へたれ語」と表現しています。

「へたれ語」とは、会話のなかで使うとマイナスになる言葉のこと。カタカナ英語もその一つで、多用してしまえば「カタカナ英語を使っている俺・私ってカッコいい」という虚栄心や衒学(げんがく)趣味、さらには無闇に船来の言葉を崇拝する気持ち、新鮮味のないものを排除しようとする根性が見え隠れし、相手からの評価をガクンと下げてしまうのです。

 ひきた氏いわく、言葉とは、「その人の人生、姿勢、考え方、目配りの広さ、深さ、温かさなどを色濃く反映するもの」。普段何気なく使っている言葉であなた自身の価値を下げてしまっていないか、もう一度振り返ってみるのも必要かもしれません。

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