仕事はあるの? 東京を離れて地方暮らしを選んだ人の体験談

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先日、とあるブログを読んでいたら、東京から地方に住まいを変えて、生活コストが年間数百万近くダウンしたという記事を発見した。

「家の内装を自分で手掛けたり、欲しいサービスがあれば仲間を募って自分たちで作ったりするなど、“何か”を生み出す機会が多いですね」(平野さん)

「家の内装を自分で手掛けたり、欲しいサービスがあれば仲間を募って自分たちで作ったりするなど、“何か”を生み出す機会が多いですね」(平野さん)

どうやら固定費である家賃を大幅に削減できるのが、移住の理由の一つのよう。費用面を考えると地方暮らしも視野に入れたいけど、気になってしまうのが仕事の有無……。働く場所はあるの? いきなり引越しても大丈夫? 東京から和歌山に移り住み、地元ニュースメディア「和歌山経済新聞」の副編集長を務める平野隆則さんに、実情を聞いてみた。

「首都圏であれば、仕事は求人サイトなどを通じて探すことがほとんどだと思います。しかし、地方では求人の件数自体が少なく、東京のようにインターネットで探すよりもハローワークで情報を得る方が有効です、また、地方で仕事を見つけようと思ったら、就職支援会や県人会など、仕事をあっせんするコミュニティの人とつながりを持つと、比較的仕事を得やすくなりますよ。まずは、住みたいエリアの人と直接会い、関係を構築することが大切ですね」

平野さんは生まれも育ちも東京で、いわゆる“田舎のない環境”。大学院時代に和歌山で過ごしたことがあり、その時のつながりを生かして仕事を見つけたという。

「求人の絶対数が少ないので、仕事内容を重視するなら非正規雇用も視野に入れてください。私は現在、大学で非正規職員として働いていますが、大体2年くらいで転職しています。地方は個人事業主や中小企業が大半を占めるので、必然とそういう働き方になる部分があります。それでも、意外になんとかなるものですよ。さらに地方で働く際は、たとえばデザイナーならデザインだけではなく、コンサルや営業など、幅広く業務に携わる働き方が求められますね」

気になる収入だが、平野さんの場合は年収が約400万円から約200万円へと半分近くにダウン。それでも、家賃などの生活コストが下がったことから不自由はしていないそう。

「地方では空き家問題が深刻化していて、家の管理人として住んでほしいと地元の人が斡旋を受けることがあります。同じくIターンしてきた友人は、家の管理をする代わりにタダ同然の家賃で一軒家借りていますよ」

「一人友人ができれば、年代問わずさまざまな人とつながりやすいのが地方の特徴」だと平野さんはいう。もしゆかりのない土地に住むなら、まずは知り合いを作ることが地方暮らしを充実させる近道といえそうだ。

(南澤悠佳/ノオト)

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