シンプルにして合理的な商品をライフスタイルとして提供する無印良品。その商品群に”家”が加わって約10年が経つ。今回は近所で、「窓の家」入居者宅見学会があるとの告知を発見!早速、参加してきた。
JR「逗子」駅前で集合し、マイクロバス2台で10分弱の住宅地に到着(筆者の知人も多く住んでいる人気の住宅地)。幹線道路からは中に入った角地、一発でそれと分かる「窓の家」が出現!
この三角屋根のシンプルながら、どっしり安定した感のある形状。資料を見て驚いたのは、イギリスの田舎町、コッツウォルズの家から発想したという話。ライムストーンの石造りの家並みが蜂蜜色に輝くことから、「はちみつ色の町」と名が付いた町。筆者も20年前に訪れたことがあるので、この白い「窓の家」からは想像しなかったが、確かに!この屋根形状とどっしり感は通じるところだ。
本日の見学会は2回開催、合わせて10組ほどの見学者で盛況。
「窓の家」の醍醐味は、窓から見える風景。なので、家が立ち並ぶ都会ではなかなか難しいデザインだが、ここ逗子市は海も近いが里山や住宅地の緑も豊かで好立地。窓から見える大空や木々の葉の光が美しく、風景が窓の額縁に納まっていた。
無印良品のプロダクトは有名デザイナーがデザインしているが、その名前を伏せて”無印”な訳である。住宅も同じで「窓の家」商品開発アドバイザーは有名建築家。また住宅部材の開発も独自のデザインを展開している。ドアノブなど細部にもシンプリシティが貫かれているのも、MUJIファンの家づくりを納得させている。
こちらのキッチンは、ステンレス製でクールに。「シンクを端に持ってきて、真ん中の調理スペースを広くしたのは正解でした」と、お菓子づくりが趣味の施主(妻)。
今回のお宅は、30代後半でマイホームを実現した若いご夫婦だった。元々、施主(妻)の実家がこの住宅地ということで土地情報をいち早く入手し購入、スープの冷めない距離に新築が実現した理想的近居パターン。
施主(夫)は「窓の家」を選んだ理由を、「シンプルな三角屋根にしたかった。設計事務所や大手住宅メーカーは、各社の主張が強いデザインになってしまう気がした」と語ってくれた。「これがいい」ではなく「これでいい」という理性的な満足感を追求する無印良品のポリシーが伝わっていた。