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効率的な組み合わせ。

EDMイベント運営/プロモーション大手のSFX Entertainmentは、マスターカードとの複数年パートナー契約を発表、今後はSFXのプラットフォームやイベントでマスターカードが独占的に金融サービスを提供し、また音楽ファンの体験を改善するためのテクノロジーを連携させています。

本格的なパートナーシップは今年9月から始まります。

SFXはEDMの世界では、「Tomorrowland」「Mysteryland」「Electric Zoo」「Stereosonic」「Sensation」など大型の野外フェスをプロデュースし、2013年にはEDM関連のイベントを23カ国で1600個以上を運営しています。SFXはアグレッシブな買収戦略を展開しており、昨年はエレクトロニック・ミュージック・オンラインストア大手のBeatportを買収するなど、EDM業界で最も勢いのあるプロモーション企業です。

音楽イベントやフェス、ツアー単位でのスポンサーシップを得ることは、その企業のマーケティングパワーで異なるターゲットにまでリーチができるメリットがあります。そして今回のように企業同士がパートナーシップを組むことは、そのリーチの幅をさらに広げられる以外に、コミュニティ内でプレゼンスを高められ、企業のブランド向上へとつながる持続性の高いメリットが生まれます。今後Tomorrowlandに行けば、マスターカードのPayPassがどのエリアでも使えたり、マスターカード利用者にチケットが先行販売されることも実現されるかもしれません。このような提携やテクノロジー連携は、誰もが経験ある面倒な取引の手間を減らしてスムーズでノンストップのファンサービスを生み出し、優れた音楽体験につなげるために有効な手段になってくると感じます。

金銭やバナー広告だけでない、参加者に直接メリットとなるバートナーシップは音楽マーケティングとして、音楽ファンにもスポンサー企業双方にとっての価値へとつながります。今後ライブ事業が進化していく中でパートナーシップという音楽マーケティングにはますます注目が集まりそうです。

 

ソース
Exclusive: SFX, MasterCard Announce Global Multi-Year Partnership(8/5 Billboard)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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