住まいの雑学
55
SUUMOジャーナル ピックアップ
2014年5月3日 (土)

個性的な専門店が並ぶかっぱ橋道具街。その名前の由来と歴史とは

レストランでよく見るこんなサンプルもゲットできます(写真:amnarj2006 / 123RF ストックフォト)
写真:amnarj2006 / 123RF ストックフォト

日本一の道具街として海外の観光パンフレットにも取り上げられ、外国人観光客からも注目をあびている「かっぱ橋道具街」。食品サンプルや調理器具を中心にした専門商店街ということもあり、飲食のプロ御用達であるのは変わらないが、今では、6:4くらいの割合で一般の方が多くなっているのだそう。土日に営業している店舗も増え、気軽にプロの使う道具に触れることができる、ユニークな魅力あふれる街になっている。

ところで、この「かっぱ橋」という不思議な名前。どんな由来があるのだろうか。そこで、かっぱ橋商店街の名物「ジャンボコック像」で有名な「ニイミ洋食器店」の新實仁さんにお話を伺った。

「諸説あるのですが、今日は道具街のキャラクターにもなっている「かっぱ」が登場する説をご紹介します。この辺りは江戸時代、浅草のりが捕れるほど海に近い低湿地であり、さらに新堀川という周辺地域の排水溝として掘られた人工河川があったのですが、大雨が降ると水がすぐあふれ、疫病が流行することもありました」

現在は川の面影はないが、当時、新堀川の両岸に古道具を商う人たちが店を出しはじめたそうだ。ところで「かっぱ」と川はどう関係していたのだろうか?

「疫病が流行することを見かねた合羽屋喜八という人が、掘割工事を始めたんです。私財を投げ打って工事を進める喜八の心意気に打たれたのが、そばを流れる隅田川に住む河童たち。彼らが夜な夜な手助けをして工事が完成したという伝説があり、そこから名前がついたと言われています」

なるほど。合羽屋喜八という人を手伝ったのが“河童”とは不思議なめぐり合わせだ。

また、夜な夜な訪れる河童たちを見た人は、商売が上手くいったという伝説から、訪れる飲食のプロたちの商売繁盛を願う意味で、商店街には黄金の「かっぱ河太郎像」が立てられているのだそう。

そんな歴史ある合羽橋。道具街の最寄駅は、東京メトロ銀座線田原町駅。その他にも、つくばエクスプレス浅草駅や東京メトロ日比谷線入谷駅も利用でき、もし住むとなれば利便性も高いので下町風情を楽しみながら暮らせそう。商店街へ行った際には、プロでなくても、家庭内景気向上を願ってみるのもよさそうだ。

前の記事 一体どこに飾ればいいの? 意外と知らない兜飾りの基礎知識
次の記事 「片付けて」と言わずに、子どもにおもちゃを片付けさせるコツって?
SUUMOで住まいを探してみよう