始まりは“合衆国” 戦後のあゆみを字誌に、本部町東区


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本部町東区の字誌「東区60年のあゆみ」の発行を喜ぶ編さん委員のメンバー=3月22日、本部町東区公民館

 【本部】本部町東区が分区60年を記念した字誌「東区60年のあゆみ」をこのほど、発刊した。戦後の混乱から復興と共にあった東区の歴史を写真やイラストなどで紹介している。編さん委員の根路銘国文さん(79)は「東区の歴史は町の復興の歴史と重なる」と思いを込めた。

 東区は1946年2月に渡久地区から分区。現在の町役場敷地である本部国民学校の跡地を中心に発展した。編さん委員の田中英治さん(80)は「当時の東区は“合衆国”だった。南洋からの引き揚げ者や一時的に住んでいた人たちがみんな協力して住んでいた。助け合いの心がある」と振り返る。
 おはじきやお手玉など、昔の遊びなどは編さん委員の玉城米夫さん(84)がイラストで示した。玉城さんは「生活の移り変わりを今の子どもたちに知ってほしい」と思いを語った。
 字誌は編さん委員会の発足から10年越しの完成となった。根路銘国貞区長(71)は「東区は(ほかの区と比べて)まだ生まれたばかりの区。若い人や子どもたちにも東区の歴史を知ってもらえれば」と次世代への継承に期待した。