借りる
のぞいてみよう外国の住宅事情
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長谷井 涼子
2012年7月12日 (木)

アメリカ賃貸事情「家族で壁の塗替え、大工仕事はアタリマエです」

世界の賃貸事情(3) (アメリカ編)

前回から引き続き、ケンタッキ-州で賃貸生活をした、駐在員妻キヨミさん(仮名)のインタビューを紹介。前回では「どんな家を借りられるか」について紹介しましたが、手数料や敷金など、「お金」にまつわる日米の違いについて聞いてみました。

「礼金ナシ、敷金ナシ、仲介手数料ナシ」というケースも

アメリカの賃貸習慣では、礼金はない。「さらに、私は直接オーナーから借りた形になったので、仲介手数料もナシです。というか、アメリカでは、仲介者を立てずに家を貸したり、売ったりするオーナーが多いんですよ。日本では何度も引越しを経験しましたが、日本は、礼金や仲介手数料など賃貸の初期費用がけっこうかかるので、大違い。敷金に関してはアメリカでも1カ月程度払うらしいけれど、私の場合はありませんでした」。

では、退去するとき、原状回復の費用はどうするのだろう? 「日本と同様、出て行くときに、設備などの故障をチェックして、もし壊れていたらその費用だけ支払うという形だったと思います」と、なんとも合理的。「アメリカ人からすれば、礼金なんてアンビリーバブル。あくまでも大家と借り手は対等です。私はしませんでしたけど、内見でアラを見つけて、それを材料に家賃値下げの交渉をするのも珍しくないようです」。

子どものころからDIY教育を受けるアメリカ人

キヨミさんの場合、入居前に「どこか変えたいところはない?」と聞かれて、子ども部屋の壁をピンクからブルーに塗り替えてもらった。さらに、お風呂のお湯をためてゆっくりしたいという日本人のために、バスルームのタンクを大きめなサイズに交換してくれた。「どちらも私は1円も払っていません。壁の色は、入居してから自分で塗ってしまうという人も多いですよ」。日本の場合は、賃貸の部屋で壁の色を変えてしまったら、原状回復の費用がかなりの額になってしまいそうだが・・・。

「あまりにも突飛なことなら別でしょうが、家のグレードを上げるためのことだったら、それを自己負担で入居前の元に戻すなんて、ありえません」。DIY好きなアメリカ人は、借りた家であっても、自分たちが心地よい空間にするために、手を加えていくのが普通らしい。

「お隣さんが、パパと子どもと2人で、1日でウッドデッキをつくり変えてました。アメリカの子どもたちは、小さなころから、ノコギリや金槌で大工仕事をしたり、ペンキ塗りをすることに慣れているんです。広い庭付きの一戸建てだからできるんでしょうけど、日本の賃貸なら、クギひとつも打てないことを考えると、住環境は子育て面でも大きく違うなぁと思います」

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のぞいてみよう外国の住宅事情 土足生活に代表されるように、日本と外国の住まい事情は違うもの。ちょっと気になる外国の住まいや生活事情をのぞいてみましょう。
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