文科政務官発言「許せない」 誤認教科書容認に抗議 「9・29決議実現させる会」


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
文科政務官発言に抗議する「9・29県民大会決議を実現させる会」メンバーら=27日、沖縄県庁

 帝国書院の高校教科書での沖縄関連コラムの誤記問題をめぐり、堂故(どうこ)茂文部科学政務官が「検定意見を付して修正を求めるには至らなかった」との見解を26日に示したことに対し「9・29県民大会決議を実現させる会」(世話人・仲西春雅県高校PTA連合会会長)と仲里利信衆院議員(無所属)は27日、県庁内で記者会見し、堂故政務官と文部科学省に抗議した。「-実現させる会」の玉寄哲永相談役は「文科省がいいかげんな検定をし、それが世に出るのは許されない」と訴えた。

 教科書「新現代社会」の沖縄経済と米軍基地に関する当初のコラムは「県内の経済が基地に依存している度合いはきわめて高い」などと記していた。検定意見は付かなかったが、帝国書院は訂正申請によって記述を改めた。
 会見で仲里議員は「沖縄は特別に予算を上積みされているというようなうそを子どもたちに教えようとしている。本当のことを教えなければ沖縄はいつまでも植民地だ」と訴えた。
 また福元勇司県高教組委員長は「文科省自体が沖縄予算に関して誤った認識を持っているのではないか」と指摘。玉寄相談役も「予算を基地とリンクさせない姿勢が、いつのまにかリンクさせる姿勢に変わっている」と、当初の記述を認めた文科省の姿勢を批判した。
 「-実現させる会」と仲里氏は今後文科省に対し直接抗議し、沖縄問題に詳しい識者ら第三者を加えることなど検定制度の在り方などについて申し入れる考えだ。