住まいの雑学
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嘉屋 恭子
2014年4月8日 (火)

パソコンだけじゃない!住まいにもある“サポート期間”。知ってる?

写真: iStock / thinkstock
写真: iStock / thinkstock

2014年4月9日、Windows XPのサポート期間が終了する。実はパソコンのOSと同様、住まいにも「サポート期間」があるのをご存じだろうか。春から新居で暮らしている人も、今まさに家を探している人も、おさえておきたい「住まいのサポート」のポイントをご紹介しよう。

しまいっぱなしはNG! 入居時の「保証書」を確かめよう

ひと口に家といっても、新築に中古、マンションと一戸建てとさまざまな種類があり、実はサポート期間も一様ではない。まず、サポート期間が明確に定められているのが新築だ。現在の法律では構造上で重要な箇所(屋根、柱、梁、基礎など)は、品確法により10年保証が義務付けられている。

さらに住宅メーカーによっては、独自に15年、20年保証などとうたっているところもある。一方で、壁や天井、造作や建具などは2年というところも多い。ちなみにサポート開始日は、「物件の引き渡し日」になる。特にマンションは入居日によっては専有部分と共用部分でサポート期間が異なることがあるので、注意したい。

こうした詳細がまとまっているのが、引き渡し時にもらった分厚い書類だ。その厚さに圧倒されて受け取ったまま一度も開いたことがない、という人も多いはず。筆者宅もその例にもれず、トラブルがおこってから、あわてて書類をひっくり返したということがあった。入居後から1年2年は、新生活に追われているうちにあっという間に経過してしまう。“サポート期限”がくる前に今一度、保証書を探して、保証内容と期間を確認してほしい。

注意したいのは、入居後にリフォームをしたり、自分たちで手を加えてしまうと、サポート対象外になってしまう点(わが家はペット用ドアや造作の間仕切りなどを設置。これがサポート対象外になる)。ちなみに当たり前のようだが、電球などの消耗品はサポート対象外だ。

パソコンだけじゃない!住まいにもある“サポート期間”。知ってる? 

【図1】建物の構造上重要な部分は10年、電気や給排水管は保証期間が2年。他の設備や建材のサポート期間は1〜2年と短い

中古住宅は売主によって保証期間が異なるので注意を!

では、マンションでも一戸建てでも、中古住宅の場合はどうなるのか。中古の場合だと、売主が不動産会社か個人かで異なってくる。例えば売主が不動産会社の場合、構造上の重要な箇所(屋根、外壁など)のトラブルなら2年または5年の保証がされる。現場検査を行っていて、一定の基準を満たしていれば、給排水管やシロアリのトラブルをカバーしてくれる会社も出てきた。最近ではレンジフードや床暖房、ビルトインエアコンなどの住宅設備なども保証するところもあり、新築に負けない安心感を売りにしている。

ただ、売主が個人の場合は、建物の構造上の瑕疵(かし)があっても責任を負わない、もしく保証期間が数カ月ということがある。こうした場合、買い手自身で費用を負担して、建物の検査(インスペクション)と保証を依頼することもできるので、契約時にきちんと調べて判断したい。ちなみに外構工事やリフォーム工事では、保証期間などは明確に決められておらず、個別契約で取り決められていることが多い。こちらも、契約時に念入りにチェックしておこう。

多くの場合、保証期間を過ぎてもサポートしてもらえるが、有償となる。「点検のたびに不具合が見つかって、お金がかかる」とぼやきたくなるのも分かるが、パソコンやタブレットもOSのアップデートが必要だし、自動車にも車検でメンテナンスをする。住まいも定期的なお手入れが重要だと覚えておきたい。

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