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寒さの厳しい冬の夜、布団に入ってもちっとも眠れない…。早く寝たいのに!と焦ると、ますます目がさえてしまうことも。そこでAll About布団・寝具ガイドの友野なおさんに、寒い日でもぐっすり寝るにはどんなことに気をつけたらよいのか聞いてみた。
「まず、寝具を温めることが大切です。布団に入る前に布団乾燥機で一瞬温めておくか、電気毛布ならあらかじめ温めておき、布団に入るときにスイッチを切ります。どちらもないなら、湯たんぽがおすすめです。朝までにゆっくり温度が下がっていくので、睡眠には理想的な道具と言えます」
なるほど、まずは寝具を快適な温度に整えることがポイントのようだ。次に、寝室を温めるポイントも教えていただいた。
「マンションだと部屋が乾燥しやすいので、ベッドの高さに温度計・湿度計がセットになったものを置くとよいでしょう。温度19℃、湿度55~60%であれば理想的です」
まずは寝具と寝室を快適な温度に整えることがポイントのようだ。では、生活の中で気をつけることはあるのだろうか。
「冬はおふろの温度設定を高めにしがちですが、熱いお湯につかると激しい運動をしたときのように体が興奮してしまいます。ぬるめのお風呂でリラックスし、眠りに向けて皮膚の温度をゆっくり下げていきましょう。38~40℃のぬるめの湯で20分間の全身浴をしてみてください。よい眠りのためにはリラックスが大切です!」
どうしても熱めのお風呂に入りたい人は、寝る2時間以上前に入浴すればよいそうだ。ほかにも、寝る前に絶対にやめるべき習慣があるという。
「ナイトキャップ、いわゆる寝酒は逆効果なのでやめてください。確かに入眠は促進しますが、眠り自体は浅くなり、利尿作用もあります。さらに血中アルコール濃度の下がる4時くらいに目が覚め、寝つけなくなってしまいますし、アルコール依存症のリスクも高まります」
日本人は世界でもとくにナイトキャップが好きであるらしい。さらにやめるべきことが、もうひとつ。
「週末の寝だめはNGです。睡眠不足は寝だめでは解消されないどころか、体への負担が大きいのです。おすすめしたいのは、毎日の寝不足の分を昼寝で補うこと。15時までに15~20分の昼寝をとることで、睡眠不足が蓄積されずにすみますよ!」
寝だめもだめだったとは…。どうしたら“よい眠り”をとれるのだろう?
「本来、睡眠は量と質の両面が大切なものですが、なかなか量はとれないもの。そこを、眠りの質をアップしてカバーしていきましょう。例えば睡眠をとるべきコアタイムですが、22時~2時というのは今や都市伝説で、正しくは成長ホルモン、メラトニン、コルチゾールという3種のホルモンが分泌される0~6時です。この6時間にかぶせて7~8時間の睡眠をとれたら理想です」
質のよい眠りで明日の活力を得るため、睡眠時間を心地よくすごすためにも、今日から睡眠環境や生活習慣にも気をつけてみてはいかがだろうか。