去年の12月


メスだけで子供を産むという単為生殖

はじめて、コモドオオトカゲにも単為生殖することが

確認されたというニュースがあった。


その時の記事→http://oldworld.ameblo.jp/oldworld/entry-10022136854.html


今回は

サメの仲間であるコイツだ!


シュモクザメ  


シュモクザメ


メスだけで生殖したシュモクザメ
 米国ネブラスカ州の水族館で、オスはいらない単性生殖で子どもを生んだメスのシュモクザメがいることがこのほどDNA分析で確認された。.......... ≪続きを読む≫


単為生殖は昆虫など下等動物ではよく見られるが

脊椎動物のような高等動物で単為生殖は非常に稀なことである。

しかしながら

哺乳類を除く、一部の鳥類、爬虫類、両生類と

確認されている。

そして

サメで確認されたのは今回が初めてだという。


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シュモクザメにしろ、コモドオオトカゲにしろ

単為生殖できるといっても

やはり極めて稀なケースで

メインはやはり両性生殖に繁殖する。


しかし!

脊椎動物の中でも

単為生殖をメインで繁殖

やってのける種がいるという!

しかも

それは我々の身近に棲んでいるのだという!!


それがコイツだ!!


ギンブナ  学名(Carassius gibelio langsdorfi

ギンブナ

フナといえば本種のことを指す

「釣りはフナで始まり、フナで終わる」と

いわれるほど

我々の街のよどんだ用水路にも見られる

おなじみの魚である。


実はコイツらはほとんどメス。

関東地方ではオスの存在すら確認されていないという。


それではメスだけで、どうやって子孫を残すのか

その方法はこうだ!


フナの受精1

まずギンブナのメスは産卵し、フェロモンを出して

他種の魚、ドジョウやコイのオスを騙し、放精させる。


フナの受精2

そしてギンブナの卵子に他種の魚の精子が進入!

フナの受精3

しかしながら

お互いの核は結合せず

卵子は精子を跳ね返す。

この擬似受精がきっかけで

卵子は細胞分裂が始まり、

誕生する子供は

母親遺伝子のみを受け継いだ

クローンが生まれ繁殖するという。


では

なぜ、精子(雄性遺伝子)を受け付かず

メス(雌性遺伝子)だけで繁殖するのか

それはフナのほとんどが
フナは3倍体

3倍体という

通常より染色体の数が多いからである。


いまでは少数の本来の両性生殖するフナは2倍体

その繁殖はこうだ!


本来のフナの繁殖


通常のフナ(2倍体=2n)の細胞核には

オスとメスとも100個の染色体がある

そして

それぞれ減数分裂により

オスの精子に50個の染色体(1n)

メスの卵子に50個の染色体(1n)

これが合体して

オスメス両方の遺伝子を受け継いだ

100個の染色体(1n+1n=2n)をもつ2倍体の子供が

産まれるというわけだ!


しかし、

なんらかの理由で

150個の染色体(3n)をもった個体が現れた!

こいつらが3倍体で

今ではその個体数は圧倒的に多い!!


3倍体の繁殖


※ちなみに3倍体(3n)は減数分裂しないため

 その卵子も3倍体(3n)だ!

 正確に言うと染色体(3n)が倍化して(6n)

 通常2回行われる減数分裂が1回だけしか行われず

 (6n÷2×1回=3n)

染色体の数が多いため

オスの精子と

染色体の数が合わない!

そのため、

染色体数の合わない

精子と卵子とでは

合体できないというわけだ!


しかし!!


極めて稀であるが、

3倍体の卵子が

オスの精子を受け付ける事態も

あるのだという!!


通常のオス(2n)の精子(1n)

3倍体のメス(3n)の卵子(3n)


これが合体して

(1n+3n=4n)

つまり・・・。


4倍体だ!!


4倍体の誕生

2倍体と4倍体は偶数

3倍体は奇数・・・。


偶数は精子と卵子が結合する

両性生殖ができることになっている。

4倍体同士での交配は

精子2n+卵子2n4n

4倍体の子供が生まれる


2倍体と4倍体の交配では

たとえば

2倍体のオスと4倍体のメスでは

精子1n+卵子2n3n

で、なんと

3倍体の子供が生まれるという。


偶然

3倍体のメスが4倍体のオスの精子を

受け付けたら

4倍体オスの精子(2n)と3倍体メスの卵子(3n)で、

2n+3n=5n

と5倍体のフナが生まれることもありえるかも。