オスプレイ運用制約形骸化を米に提案 12年政府文書


この記事を書いた人 新里 哲

 【東京】米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場配備を巡る2012年7月26日の日米合同委員会で、日本側が「オスプレイの運用に制約を課すことなく取り得る措置」を米側に提案していたことが13日、分かった。日米で合意した航空機騒音規制措置(騒音防止協定)があるにもかかわらず、日本政府が米軍のオスプレイ運用に制限をかけないよう、積極的に動いていたことになる。

 衆院外務委員会で笠井亮氏(共産)が防衛省の内部文書を示して指摘した。文書は防衛省日米防衛協力課作成とみられ、同省内の関係先に配布したと記載されている。
 文書はワシントンでの外務・防衛局長級協議で、「(住民の)懸念を払拭(ふっしょく)するために出すべきメッセージやオスプレイの運用に制約を課すことなく取り得る措置、広報の方策についても議論する」と記した。
 オスプレイは人口密集地上空の飛行や夜間訓練、転換モードでの飛行時間の制限などを日米で合意しているが、ほとんどが「可能な限り」とされ、実効性に乏しい。内部文書は日本側が率先して飛行制限を「形骸化」することを模索したことがうかがえる。
 若宮健嗣防衛副大臣は同委員会で文書の真偽が不明だとして「お答えは難しい」などと内容に言及しなかった。