千葉市美浜区にある『手づくり公園まさご』は、その名の通りボランティア市民によってつくられた公園である。創意工夫にあふれ、市民の愛情がたっぷり詰まった公園になっているのだが、一体どのようにしてこの手づくり公園が実現したのだろうか。今回は、千葉市都市局公園緑地部公園建設課に話を伺った。
まず公園を市民の方々の手でつくることになった経緯をおしえてもらった。
「地元の皆さんから、自分たちの手で公園整備を行いたいとの提案があり、木材や舗装材など最低限の予算を確保して整備に至ることになりました」
地元の皆さんが提案することとなった、きっかけはなんだったのだろうか。
「千葉市には公園予定地が市内に十数カ所あり、これまでは公共団体などが整備を行ってきました。しかし、毎年1カ所程度しか整備できないことから、地域の公園整備要望に応えられていないのが現状でした。また、地域の皆さんにいかに公園に愛着を持ってもらうか、いつまでも楽しくにぎやかな公園利用ができないかが課題だったのです」
課題があったなか、市民の方々の声がきっかけとなったようだ。ところで、どのくらいの市民がこの公園の整備・管理に関わっているのだろうか。
「作業は毎週水曜日と、毎月第2・4土曜日に行っています。メンバーは約20名で、毎回参加者が5~10名程度、その他に知的障害者団体“でい・まさご”の皆さん約20名が維持管理を行っています。これまで関わった市民の総数は、5回実施の公園計画、60回実施の公園整備合わせ、約470名に上ります」
これまでに行われてきたのはどのような業務なのだろうか。
「施設整備としては、花壇・園路・看板・ビオトープ・ベンチづくりなどがあります。それに加え、草刈り・清掃・低木の剪定(せんてい)・花壇の植え替えなどの維持管理業務もあります」
公園を市民の方の手で管理されてよかった点、逆に大変だった点は?
「市民の方が毎週、草刈りや清掃を行ってくれるため、これまで草がぼうぼうだった公園用地が見違えるようにきれいになりました。特に花壇については、季節の草花を皆さんが植えてくれており、隣接のサイクリングコースからも見えるため、行き交う人にも楽しんでいただいています。しかしコンクリート平板舗装など、肉体的にも大変な作業もあり、市の職員も手伝うなど労力の確保が大変でしたね」
現在すでに公園予定地として用地を取得済みの土地があり、2015年と2016年に1カ所ずつ整備する予定とのこと。これからも市民の希望が反映され、愛着をもって管理される公園が生まれることだろう。
●取材協力
千葉市都市局公園緑地部公園建設課