まだまだ健康なのだから社会と断絶した生活を送るなどまっぴらごめんだ──。定年後も働きたいそんなシニアが増えているという。実際に65歳からの再就職先は、探せばいろいろとあるものだ。
経理も含めた事務分野のほか、販売員や集金、電気やガスの検針などの仕事に就くシニア世代もいる。その他、マンションやビルの管理人、コンビニ店員、工事現場での誘導員などが求人の多い職種だ。「趣味を生かせるかどうか」という基準で選ぶ人もいる。
「いまやっているのは、エキストラのアルバイト。1日3000円とボランティアみたいなものだけど、集まってくるのはみんな自分のような映画やドラマ好きばかり。この年になって、新しい友だちができるのは貴重だよ」(67歳男性)
なかには「犬の散歩」でお金を稼ぐ人も。1995年創業のJTL社が手がけるのは、犬の散歩代行サービスだ。3年目からフランチャイズ(FC)展開を始め、現在の加盟店は全国約70店舗にのぼる。社長の古田弘二氏(71)がいう。
「仕事内容は朝夕1回、1頭につき約30分の散歩。料金は1回1575~2625円で、散歩以外にもビラ配りなど営業の仕事もあります。私がFCの相談に乗るのは、60~65歳で犬を飼っていて意欲がある方。実際にFC契約されている方のなかには70歳を過ぎた人も約2割います」
古田氏自身、毎朝3時に起きて夜7時に寝る生活を19年間続けていて、「85歳まで働くのを目標にしている」のだとか。犬好きの人には趣味と実益を兼ねるうえ、健康にもよさそうな仕事だ
※週刊ポスト2014年3月28日号