裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成17(行ウ)39
- 事件名
住民票転居届不受理処分取消事件
- 裁判年月日
平成18年1月27日
- 裁判所名
大阪地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
都市公園内に設置したテントを起居の場所として日常生活を営んできた者が提出した前記テントの所在地を住所とする転居届について,区長がした不受理処分が違法であるとしてした前記処分の取消請求が,認容された事例
- 裁判要旨
都市公園内に設置したテントを起居の場所として日常生活を営んできた者が提出した前記テントの所在地を住所とする転居届について,区長がした不受理処分が違法であるとしてした前記処分の取消請求につき,住民基本台帳法にいう住所とは,生活の本拠を指し,一定の場所がある者の住所であるか否かは客観的に生活の本拠たる実体を具備しているか否かにより決すべきものであり,同法23条所定の転居届に住所として記載された場所が,客観的に当該届出をする者の生活の本拠たる実体を具備していると認められる限り,市町村長は当該転居届を受理しなければならないとした上,一定の場所に係る施設の種類,構造,規模等は,当該場所が客観的にみてその者の生活の本拠たる実体を具備しているか否かを認定するための一資料にすぎず,前記テントが地面に固定された構造物であるという構造に照らしても当該場所を生活の本拠と認定することの妨げにはならず,その者が当該場所について占有権原を有するか否かについても,客観的事実としての生活の本拠たる実体の具備とは本来無関係であるというべきであるところ,当該テントの所在地は客観的に前記届出をした者の生活の本拠たる実体を具備していると認められるのであり,その者が同法6条所定の占用許可を受けておらず占有権原を有しないことを理由として前記転居届を受理しないことは許されないとして,前記請求を認容した事例
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